三十話:想いと日常
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ェンか」
「リヒターさんに期待した私が間違っていました」
リオちゃんが何気に酷い。
なぜだ、どういう決意かは分からないがイメチェンしたのは間違いないだろう。
わざわざ聖王の戦装備に似せているのだから。
そんなことを悩んでいる間に試合が始まってしまう。
「ラウンド1―――ファイト!」
刹那、アインハルトちゃんの顔面に繰り出される鋭い蹴り。
だが、その蹴りは間一髪で腕に阻まれてしまう。
しかし、そこで攻撃をやめてやるほどヴィヴィオちゃんは甘くない。
拳での正確無比のラッシュ。意識の外側から襲い掛かる足技。
それらが確実にアインハルトちゃんの体力を削り取っていく。
「強引に前に出た?」
「せやけど、正解やね」
だが、アインハルトちゃんは前に進み距離を詰める。
ヴィヴィオちゃんの攻撃は速いが軽い。
故に距離を詰められれば強打を放ち突き放すしかない。
―――そこに隙が生まれる。
ヴィヴィオちゃんの懐に入り込み肉を抉り取るような右フックをお見舞いする。
「セイクリッドディフェンダー!?」
「アクセルスマッシュW!」
しかし、強烈無比であるはずの拳は光り輝く防壁により防がれてしまった。
そこへ襲い掛かる二発同時に放たれる高速の拳。
的確に顎を撃ち抜かれたアインハルトちゃんは為すすべなく崩れ落ちる。
「今日は絶対にアインハルトさんに勝ちます。今の私達を見て欲しいから」
「カウント6! 7!」
「っ! やります!」
告げられる強い想い。
茫然と耳を傾けるアインハルトちゃんだったがカウントを聞きすぐさま立ち上がる。
―――まだ終われない。その姿からはそんな言葉が聞こえてくるようだった。
再びぶつかり合う両者。
魂と魂のぶつかり合い。想いと想いの共鳴。
二人の戦いはその後も互いにダウンを奪い合うという非常に密度の濃いものとなった。
だが、どんな物にも終わりは訪れるものだ。
「いい一撃を頂いて目が覚めました」
「よかった。やっといつものアインハルトさんだ」
「感謝の想いは……この拳に載せます!」
「喜んでお受けします」
騒めく風。人も草木も息を止めているかのようにそれ以外の音は聞こえぬ静けさ。
一瞬、いや永劫の時とも思える静寂が全てを支配する。
しかし、それを破り去るのは空間をも断ち切る覇王の拳。
アインハルトちゃん最強の技。
「覇王―――断空!」
今まで最高の威力を込められた拳がヴィヴィオちゃんに襲い掛かる。
しかし、彼女はそれを見事に避けきってみせた。
湧き上がる観客。だが、我が妹を舐めて貰ったら困る。
「断空の二連撃!」
ジークの叫び
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