三十話:想いと日常
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じ場所を目指していた。
「陛下のご指名試合を見て欲しいんだってさ」
「そーかー」
ジークとシャンテちゃんが話している隙に俺とヴィクターはアイコンタクトを交わす。
突然の登場に驚いたが給料アップのために退くわけにはいかない。
いざ……参る!
「ファビアちゃん、この間はありがとうな。お礼と言ってはなんだけどチョコチップクッキーを持ってきたんだ」
「……………」
無言でクッキーを口に入れ幸せそうな顔で咀嚼するファビアちゃん。
横で羨ましそうに見ているジークの口にもクッキーを突っ込みニヤリと笑う。
まずは贈り物でファビアちゃんの好感度を上げる作戦だ。
好感度を上げてお願いを聞いて貰いやすくなするのだ。
「これからもよろしくな」
「……うん」
「ほんなら私らと一緒に試合見よかー」
始めはここら辺で退いておく。最初からグイグイ行くと怪しまれるからな。
信頼関係が築けてきたところでさりげなくお願いをしてロリジークを再臨させる。
くっくっく……完璧な計画だ!
「もう、おいたはダメやからなー」
「分かってる……もうしない」
「……世界はいつだってこんなはずじゃなかったことばかりだよ」
コクリと可愛らしく頷くファビアちゃんの姿に思わずつぶやいてしまう。
だが、まだ諦めるわけにはいかない。諦めたらそこで試合終了なのだから。
まだ時間はあるのだから給料20%アップの為に俺は諦めない。
「それでヴィヴィオは?」
「陛下ならもうアップを始めてるよ」
「アインハルトちゃんは?」
「見てないけどもうすぐしたら来るんじゃない」
それなら俺達も急いで行かないとな。
俺はファビアちゃんにアップルジュースを渡しつつ歩き出す。
相変わらず無口なファビアちゃんだが本当に美味しそうな顔をしているので感情を読み取るのには困らない。
ついでに私も私もと駄々をこねてくるジークはヴィクターに引き渡す。
どうせ栄養管理がどうだので小言を言うだろうからな。
「ジークの栄養管理をしっかりしなさい、リヒター!」
「なんで俺が怒られるんだ……」
「あなたが食事を作っているからですわ」
「確かにそうだが……はぁ、理不尽だ」
何も俺が好き好んで作っているわけでも食べさせているわけでもないんだがなぁ……。
「じゃあ、二人ともジャケット装備!」
そして始まるヴィヴィオちゃんと対アインハルトちゃんの試合。
ノーヴェさんの掛け声で二人同時にバリアジャケットを身に着ける。
そこでヴィヴィオちゃんのジャケットの色が変わっていることに気づく。
「あ、あれは……」
「リヒターさん知っているんですか?」
「イメチ
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