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逆さの砂時計
遭遇
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がない。
 止めている間に捜し歩けるなら良かったのだけど……
 あの力で消耗するのは、どうも体力だけではなさそうだ。
 実行したら多分、アリアを見つける前に、自分が死んでしまう。
 それでは本末転倒。

 切り札として控えつつ、使いこなせるようにする。か。
 頭が痛む準備運動だな。



 夜が明けた。
 森はとっくに抜けていたが。
 朝露を探す手間を考え、森のすぐ外側で待機中。
 西には森が続いているものの、眼前には広々した平野が横たわっている。
 緩やかな曲線を描いて白く伸びる細長い道の少し先に、壁で囲まれている尖塔が見えた。
 『街』だろうか?
 壁の規模からして、『村』ではなさそうだ。

「……ありました。葉は折らないほうが良いですか?」
「そこまでは知らん」
「では」

 気を失ったままの精霊さんをポケットからそおっと引っ張り上げ。
 揃えた手の上で仰向けにして、葉から滑り落ちそうな雫の真下に掲げる。
 肘を曲げたままでも届く範囲で良かった。
 これで、背伸びしつつ待たなければいけないとなると、結構辛い。

 ところで、このまま雫が落ちても、精霊さんの顔に掛かるだけなのでは。
 気を失った状態で、しっかり飲めるのだろうか?

「……っん ぷふぇっ!?」

 ああ。やっぱり。
 でも、驚いて飛び起きたから大丈夫かな?

「な、なに!? なんで、どうして露? ここはどこ!?」

 羽を小刻みに震わせて、キョロキョロと辺りを見渡している。
 よく見ると目の色が紅い。ベゼドラとお揃いだ。

「おはようございます、精霊さん。お体の調子はいかがですか?」
「え? って……ぇええ!? 人間!? どうして人間が居るの!?」

 死にかけているとは思えない、落ち着きのなさ。
 凄いな、朝露効果。

「昨夜、連れが貴女を叩きお……ぶつかってしまって。すみませんでした」

 自分の手のひらの上に座っている小さな女性に向けて、軽く頭を下げる。
 端から見てどう思われるかは、あまり考えないでおこう。

「あ、そうか。背中から物凄い衝撃が来て、それで……」
「お怪我はありませんか?」

 精霊さんは腕や背中を確認した後、立ち上がって足を見て、軽く頷いた。

「大丈夫。ありがとう。でも私、翔べないかも。羽の感覚がほとんど無い」

 人間嫌いのわりには、ちゃんと会話をしてくれるらしい。
 お礼を言われるとは思わなかった。
 悪いのは、いきなり叩き落としたベゼドラなのだが。

「ぶつかってしまったせいでしょうか?」
「違う。私に残ってる力が少ないの。泉に戻れば、回復できるんだけど……戻れそうもないかなあ……」

 泉?
 精霊さんが住んでいる家、みた
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