暁 〜小説投稿サイト〜
フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
第二章 天空の大陸 アルビオン
主君の守り手
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架の傷はみるみる塞がれていった。

「我が王家に伝わる癒しの魔法だ。それで右手も使えるだろう。」
「・・・すまない、ウェールズ。」
「ちっ、皇太子が・・・余計なことを。だが、回復したところでこの状況を打開できまい。」

 苦虫を噛み潰したような顔をしたワルドであったが、すぐに調子を

「お、おおおお、思い出したーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」
「いぃ!?」
「なっ!?」

 何の前触れもなく、礼拝堂全体が震撼するような男の大声が響き渡った。それに気圧されてワルドたちの動きが止まり完全な隙ができてしまう。だが、架自身も思わず敵の目の前で腰が抜けるのではないかと思う程驚いていたためそれどころではなかった。それはそれは尋常な大きさではない横やりである。
 この男の声が一体誰の仕業かというならば、当然架やワルドであるはずがなく、まして傍観していたウェールズでもない。というか、その正体は人ですらなかった。

「あっはっはっはっは!!!そうか思い出したぜ!!オメエ『ガンダールヴ』かぁ!!」
「デ、デル?」

 架の手に持つデルフリンガーであった。ここに来てから黙りこくっていた彼は一人テンションが上がりまくり、呆然としている空気も読まずグイグイ話を進めていく。

「いやあ今の今までずっと忘れてたぜ!!そうかそうか、『セイバー』に『ガンダールヴ』、う〜んアン時と同じだぁ!こりゃ俺もこんな恰好してる場合じゃねぇな!!」
「あの時・・・?」

 突然デルフリンガーが光り輝き始めた。そこにあったのはかつてのボロ剣ではなく、美しい刀身を持った長剣であった。

「ああそうさ、これが俺様の真の姿だ!!俺様は60年前にもお前に振られていたのさ!『ガンダールヴ』!!」
「何をゴチャゴチャと・・・そんな剣に何ができる!」

 複数のワルドが雷撃を放ってきた。本来ならば防ぎようのない攻撃。だが、

「俺を前に翳せ!!」
「っ!!」
「な、何だと!?」

 魔法は架に当たらず、全てデルフリンガーに吸収された。

「これが、お前の力なのか・・・。」
「相棒、強く念じな。オメエが力を振るう意味を、何の為に力を使うのか。そうすりゃあ力は応える。戦うのは俺じゃねぇオメエ自身だ!!」


何の為・・・だと?
 
そんなのは・・・決まっている。

背後に守りたい者がいる、それが俺の戦う意義だ!!

 
 架が想うほど、左手のルーンが輝き力が漲ってくる。それを感じた架はゆっくりと独特の構えをとった。

「(貴方の奥義、少し借りるぞ・・・)」

「死ね、ガンダールヴ!!」

 一人を残した四人のワルドが襲い掛かった。前方、左右、上空、もはや逃げ場のない陣形。それを架は・・・

「カケ
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