暁 〜小説投稿サイト〜
フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
第二章 天空の大陸 アルビオン
主君の守り手
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「はあああっ!!」
「ぐうっ!」

 左手のみで持った剣でワルドに斬りかかる。

「セイバーッ・・・ええいっ、ランサーは何をしている!?」

 ワルドが避け、ルイズたちから離れた隙に架は二人の元へ駆け寄った。

「大丈夫か二人とも!!」
「「・・・・・。」」

 安否を聞いたら何故か二人とも答えることなくどこか呆れたようなというか引いた顔をしている。その反応に架が訝しげな顔をしていると、

「あ」
「あ?」
「ああああアンタねぇぇぇ!!それはどう見てもこっちのセリフでしょおおおがああああ!!!」

 ルイズが爆発したように叫んだ。桃色の髪を逆立て、漫画描写なら角でも生えるんじゃないかと言わんばかり形相である。

「ま、待てルイズ!何でそんなに怒っているんだ!?」
「いやカケル君?君、もう少し自分のナリを確かめてからにしたらどうだい?その様子で心配されてもね・・・。」

 架は困惑しているようだが、実際ウェールズの言い分も尤もである。体中の至るところが傷だらけで、片腕も何だか痛めてそうな満身創痍な人がほとんど無傷な人に向かって「大丈夫か」と言ったところで、言われた側はリアクションに困るというものだ。
 ウェールズにも味方してもらえず、どうしたもんかと戸惑っていると、

「ルイズ?」
「ホント・・・心配したんだから。」

 架の胸に、ルイズはそっと手を添えた。架が駆けつけてくれた時は本当に嬉しい声をあげたのだが、同時に傷だらけの彼の様子を見て悲鳴をあげそうにもなったのだ。
 身を案じていたはずの相手に逆に心配されてしまい、一瞬気まずい表情をした架だったが、やがて優しく微笑むと痛むのを我慢しながら空いた右手でルイズの頭をそっと撫でた。

「あ・・・。」
「ごめんなルイズ、心配かけた。でも俺は大丈夫。だから安心していろ。」
「・・・うん。」

 撫でられた恥ずかしさかルイズは俯いてしまった。その顔が真っ赤に染まっていることは架の視点からは見えなかった。


「そろそろいいだろうか。」

 少々置いてきぼりを食らってしまったワルドが声をあげた。先ほどはランサーに対して激昂していたようだが、もう落ち着きを取り戻している。

「ああすまんな、待たせた。」
「ふん、随分と余裕そうだが流石にランサーとやり合って無傷では済まなかったようだな。見た所、その右腕はもう使えまい。」
「だからどうした?剣を振るえるなら問題はない。」

 言いながら互いに剣と杖を構える二人。こうして睨み合うのはラ・ロシェール以来だが、これは手合せなどではない真剣な殺し合いである。

「その命貰うぞ、ガンダールヴ!!」
「ルイズ、ウェールズと一緒に下がっていろ!!」





 
 架とワルド
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