バーサーカー差し替え編
フランドール・D・A・B・H・ヴィクトリアの場合
Prolog
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った……。
と、異形となった顔の口元に小さな笑みを浮かべて雁夜は己が呼び出したサーヴァントを姿を捉えた。
そして、魔法陣の中心で揺らぐ影から、問いかけの声が響いた。
「……はぁ。なにやら面倒事のようだな。まあいい。
化物のサーヴァント、モンスター。掛け持ちにてバーサーカー。喚び掛けに応じ、顕現した。ソコの死にかけ、貴様が私を喚んだ人間か?」
ソレは、余りにも理知的な問い掛け。
その問い掛けを聞いた雁夜の表情は、喜びから驚愕へと変わる。
――ありえない。
雁夜のその考えは、簡単なルール説明を受けていれば誰もが到達する思考である。
雁夜の呼び出したサーヴァントは狂戦士たるバーサーカーでなければならない。その為に頑張って頭に叩き込んだ長くややこしい呪文に、更にややこしい二小節を追加して、噛まず間違わずに詠唱しきり、やっと召喚したのだ。ソレも、バーサーカー召喚専用の呪文を用いて。
なのに、目の前のサーヴァントは、狂っているとはとても思えない程に理知的だった。
「……なんじゃと?」
やはりと言うべきか、間桐の妖怪ジジイも異変には直ぐに気付いたらしい。
まあ、当然と言えば当然だろう。なにせ過去に起こった三度の聖杯戦争の全てを見てきたのだから。そして、聖杯戦争を始めた者の一人なのだから。
バーサーカーと言うサーヴァントは、クラス特性として狂化≠保有する。
サーヴァントの身体能力やステータスを強化するが、理性∞技術∞思考能力∞言語機能∞能力の一部、若しくは全て≠失うと言ったデメリットがメリットを上回るクラスだ。
また、現界のための魔力を通常の倍以上消費するようになる。
最強のクラス≠ネんて言われてもいるが、実際は最強≠ナは無く最狂≠ナあり、正しく適正クラスで喚び出された三騎士やキャスターには歯が立たない。
バーサーカーを運用するに足る魔力量を誇る魔術師が、フランケンシュタインの怪物をバーサーカーで喚んで、初めて正しい運用と言える。決して、ヘラクレスやランスロット、呂布奉先と言った超A級の英霊から理性を奪ってまでバーサーカーにするなどではない。愚の骨頂もいい所である。
まあ、相応の魔力が有れば問題は無いのだが。
「……成程、理解した。どんな願いも叶う万能の願望器を求めて英霊が争う戦争、か。で? 死にかけ。ソコに居る気色の悪い蟲は、貴様の味方か? それとも敵か?」
「ッ!?」
「…貴様、どういう意味じゃ?」
絶句する雁夜。自分の答えによって間桐 臓硯を完全に敵に回すことになる。
しかし、雁夜とてその程度は承知している。その上で雁夜は臓硯を見据え―
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