同族
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デッドに襲われた事を隠している者がいるかもしれない。もしそうだとしたらアンデッド化したその人が、避難所に集まった大勢の人や同じ部隊の仲間を襲い、アンデッドをネズミ算式に増やしてしまう事になる。そうなってしまえばミッドチルダは、ファーヴニルと戦う前にアンデッドによって全滅する……!
「でもまだ……今ならアンデッドも数が少ない。被害がこれ以上増える前に倒しておこう!」
「そうだね、フェイト! パンデミックになる事だけは避けないと! ママとアルフはこの事態を管理局や皆に急いで伝えて!」
「わかったわ。だけどこういう時、あなた達に頼るしかないのが母親として悔しく思うわね……」
「気を付けてくれよ、二人とも。絶対無事に帰って来るんだよ!」
母さんとアルフの心配に答えるように、私と姉さんは大丈夫だと微笑む。二人とは別行動のために別れ、私と姉さんはアンデッドの閉じ込められている中央ブロックまで移動する。ちなみに私は飛行魔法で、姉さんは安全のために私の傍で姿を消しているため、階段でアキレス腱に負担が掛かったりはしていない。
やがて中央ブロックを封鎖するシャッターの前にたどり着いたのだが、この重厚な扉は空気すらも完全に遮断していて、流石に通れそうになかった。だけど音はしていて、向こうからバタバタと扉を叩く音が響き、アンデッドがこの先に集まっていると強引に理解させられる。
『フェイト、聞こえるかい?』
「アルフ?」
『ここのセキュリティの担当者との話がついた。これからそのシャッターを開けるけど、心の準備は大丈夫?』
「うん、全然問題ない。いつでもどうぞ!」
『わかった、それじゃあ開けるよ!』
アルフの合図で気を引き締め、中央ブロックのシャッターが開いた瞬間、
『!』
廊下に10体程はびこっていた人型のアンデッドが私達に気付く。瞬時に私はバルディッシュをザンバーモードにして突撃し、エンチャント・ソルを常時使用しながら斬りかかる。姿が見えなくとも姉さんは私にエナジーを送ってくれているので、屋内でもエナジー残量の心配はしなくて大丈夫である。
ホルルン液や噛み付き攻撃に当たらない様に高速で回避、回転切りで周囲のアンデッドをまとめて斬りつける。……元々彼らも人間だったと思うとすごく辛いが、やらなければもっと被害が出てしまう。だから私は、彼らを倒す事で苦しみから救う、その気持ちで戦っている。
このアンデッドはそこまで素早くないため、私なら背後を取る事は容易い。それに正面からの攻撃ではアンデッドはひるまないので、出来るだけ背後を取ってから攻撃するようにしている。そうやって私の得意な戦術を用い、待ち構えていたアンデッドを何とか全滅させる事が出来た。だけど……手には彼らを斬った感覚が鮮明に残っていた。そして、
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