同族
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ましょう』
リンディさんの締めの一言で通信を切断、クロノ達は早速行動を開始している事だろう。だけど次元空間を渡るには、基本的に魔力で動いている次元航行艦を使うのが常識だったから、いきなり他の方法で次元空間を渡る手段を見つけろと言われても難しかった。前に住んでた時の庭園は次元航行艦じゃなかったけど、次元空間を移動するプロセスは魔導炉から生成した魔力で航行していた点で同じだ。
「魔力以外で次元空間を移動……難しいなぁ……」
「私は太陽の使者の代弁者として精霊転移が出来るけど、次元空間を移動できる程強力な能力じゃないし……。む〜、わっかんないよぉ〜」
「そういえばラジエルって、魔力消失空間の中で動けているのかしら。流石、全時空万能航行艦と名乗るだけあるわ。でもああいうオーバーテクノロジーの戦艦が何隻もある訳が無いし、これは厳しい課題ね……」
「……あれ? オーバーテクノロジーと言えばラプラスもそうじゃなかったかい? 確か魔力の無い世紀末世界でも使えるって、前にエレンが言ってたような……」
「ラプラス……。お兄ちゃんがアレクトロ社に潜入して、脱出する時に手に入れた次元航行艦だよね。だけど今、お兄ちゃんがどこにいるのかわからないから、その船も……」
「ちょっと待って。……作られたのって、一隻だけなの?」
「……あ!」
姉さんの疑問を聞いた瞬間、私達の脳裏に天啓が走る。そうだよ、あれって一応アレクトロ社が作ったシャトルだから、もしかしたらロキが使う予定だったラプラスの他に、もう一隻ぐらい作られている可能性だってある。ラプラスがプロトタイプだったら、残念ながら機体が無いかもしれないけど……それでも機体を作った技術は少しでも残っているはずだ。
「よし、わずかだけど希望が見えてきたわね。ロキを浄化して、裁判を終えて、力をほとんど失って、もう関わる事は無いと思っていたあの会社へ……私達の全ての始まりであるアレクトロ社へ、再び行ってみましょう」
ミッドチルダ中央区、アレクトロ本社。私が足を踏み入れたのは今回が初めてだけど、母さんは昔に何度か来ていた経験から、入り口で過去を思い返して懐かしんでいた。やっぱり元々務めていた所だったから、敵対はしても思い出は残っていたみたい。
裁判の影響で悪いことをしていた人は捕まったものの、プロジェクトFATEやSEEDの件があまりに衝撃的だったのか、それなりの人数が辞めてしまったらしい。でもラジエルのフォローのおかげでその人達は転職先でいびられたりはしていないし、アレクトロ社に残った人も『自分達が会社を立て直すんだ』って張り切っていると以前聞いた事がある。てっきり落ち込んだりしているかと思ってたけど、そうでもなかったみたい。皆、結構たくましいんだね。
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