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リリなのinボクらの太陽サーガ
同族
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を得なかった。私がこの世に生まれるために、その糧となって命を散らした“姉さん達の集合体”。闇に落とされたその存在を、この世から浄化するために……!

私は泣き叫ぶ子供のような声を上げながら、バルディッシュと彼女の大鎌を衝突させ、鍔迫り合いとなる。しかし何人もの“姉さん”を取り込んだ彼女の膂力はとっくに人間離れしており、防いだにも関わらず私の身体がまるで小石のように跳ね飛ばされる。

「くぁっ!」

際どい所で壁に衝突する前に静止できたが、彼女は地面を揺らす程の勢いで突撃してきた。あまりの速さで気づいた時には私の眼の数ミリ前まで迫っていた大鎌を、反射的にゼロシフトで回避、獲物を捉え損ねた大鎌は壁に凄まじい衝撃を与えて突き刺さり、建物全体が振動させられる。

「な、なんて超人的な強さ……! これが……人として生まれる事すら出来なかった、あなた達の怨み? だとしたら私には……」

いや……それは皆に対する裏切りだ。私は皆に支えられて、お兄ちゃんに光を与えてもらって、姉さんに命を分けてもらって、ここにいる。そして……“姉さん達”がいたから、私は生まれる事ができた。ならばあなた達によってこの身体を授かった私には、あなた達に安息の眠りを与える使命がある!

『サー! いきましょう!!』

「うん……とても辛いけど……行くよバルディッシュ!! これまで培ってきた私の全てを、彼女にぶつけるんだ!!」

カートリッジロード! 身体強化を強引に出力を上げて強化し、全身に大量の魔力がみなぎる。今のロードだけで身体にかなりの負担が掛かったが、ここまでやらないと彼女の速さに追い付けない。

そこからは秒単位の世界だ。大鎌を引き抜いた彼女が爆音を響かせてこちらに跳躍、私は雷のごとき速さで彼女の切り裂きをバルディッシュの峰でしのぎ、カウンターとしてすり抜けざまに切り返す。腹部を斬られて浄化の煙を吹き出すものの、ダメージなどお構いなしに彼女は立ち向かって来る。
だけどここでもう一度カートリッジロード! 凄まじい負荷が私の身体にかかるが、そのおかげで彼女の認識を上回るスピードを叩きだし、彼女の攻撃だけでなく音さえも置き去りにして連続一閃を放つ。
だが彼女もやられっぱなしではなかった。彼女も変質魔力を用い、元から超人的だった能力の上に更に身体強化魔法をかけてしまう。金色の閃光と赤黒色の閃光の衝突が、さっきまで金色が優勢だったものの、今の強化で一気に赤黒色の方へ優勢になっていく。対する私は逆転のため更にカートリッジロード、あまりの負荷で鼻血が出ても尚、彼女を倒す事に全ての意識と感覚を集中させる。だけど、まだ届かない……! ならば!!

『駄目です、サー!! これ以上の使用は命に関わります!!』

「まだだ! まだ終わってない!! カートリッジ……ロ
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