同族
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ですがプレシアさん、現状では打つ手がありません。次元世界の開発技術は環境にもクリーンで膨大なエネルギーが生み出せる魔力を主な動力源としているので、魔力が消失してしまっては話にならないのです。一応、電力などは今も使えるのですが、予備で搭載されている従来の発電システムでは次元空間を移動できる程の動力が得られません』
『マズいな……これでは誰にもファーヴニルを止められない……! このままでは主はやての故郷が……!』
『むぅ……こんな時に何も出来ない自分がもどかしい』
『ちくしょう……どうにもならねぇのかよ! こんなんじゃあたしらは役立たずじゃねぇか!』
『サバタさんの行方も気がかりだけど……せめて私達に出来る事が何かないか見つけないと……!』
皆、現状では何も出来ない事にやるせない気持ちを抱いていた。それは私も同じ……たくさんの大切な出会いと思い出がある地球を見捨てるような真似は誰だってしたくない。なのに私達は今いる場所から動く事が出来ない。まるで底なし沼にはまったかのように、様々な事情が私に絡みついて、どこにも逃がさないと言っているみたいだ。
『……出来る事はあるよ、皆』
『ユーノ君?』
弱々しいながらも確固たる意志のこもった目で、ユーノはそう言ってきた。なのはを始めとした皆が疑問に思う中、彼は言葉を続ける。
『過去の文献から、ファーヴニルの封印方法を探すんだ。元々奴はニダヴェリールに封印されていたんだから、その方法が今も残っている事に賭けるしかない』
『なるほど……絶対存在は封印するしか対処法が無いんだったな。だが、もし見つからなければどうなる?』
『その時はしょうがない。潔く皆で次元世界の終わりを見届けよう』
『ま、前向きなのか後ろ向きなのかわからない結論だね……封印方法が無かったらどうしようもないってこと?』
『倒せる相手じゃないからね、文字通り。今頃ラジエルの防衛陣に集まった人達が、第95無人世界で引き寄せたファーヴニルと戦っていると思う。でも封印方法が見つかって無いから、せめて弱体化させるまでが関の山だって、エレンさんが言っていたよ』
『嘘でしょ……あのラジエルでも、弱体化までしか出来ないなんて……』
『ユーノ君、その弱体化ってどういう事なの?』
『えっと……ラジエルの観測部隊が、ファーヴニルの体内にあった強力な魔力反応……恐らく吸収した魔力が溜め込まれているコアを見つけているんだ。ラジエルはそのコアを破壊する事で、ファーヴニルが二度と魔力吸収できなくなるようにするつもりだよ』
『なるほど、魔力の詰まったコアを破壊か! それなら破壊した際に、もしかしたら吸収された魔力も少しは放出されるかもしれないな!』
「けど体内って事はつまり……その、誰かが口
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