第2章 反逆の少女たち
第11話 カスタムの魔女
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よりは明るいし、空気も悪くない。それが第一印象だった。ゆっくりとした足取りで先へと進んでいく。……進む先は地下。相当深いようだった。すると、到着したその場所は恐らくは人口の明りが目に入る。
その光の先に、カスタムの町があったのだ。
「……流石にこんな町があれば耳にするが、一切聞いた事が無いな。依頼書にはおろか、地図上にも書かれていないのはおかしい」
おかしい、と感じていたのだが、周囲を注意深く確認すると、理解は出来てきた。恐らく……、町そのものが地面の下、地下へと引きずり込まれた。
だが、単純に考えてありえない。魔法使いが敵である依頼は何度か体験した事があるし、何より魔法大国ゼスにも行った事があるが、これ程までのものは見た事は無い。……味方殺しの彼女ならわからないが、壊すのではなく、ここまで繊細な事は出来ないだろう。
つまり、結論は、町1つ沈める事が出来る程の強大な魔力がこの町にはあると言うことだ。
「これは、予想以上に骨が折れそうだ」
「あっ……、察しられましたか。……その、ユーリさんから見てこの町は、どの様に見えますか?」
チサの言葉を受けて、ユーリは町を見下ろした。
全体的に、暗く思う。それは洞窟の中だから、だとかそんな単純な事じゃない。例え、人口の光りを灯したとしても、人々の心が暗ければ、連動していくものだから。それに、よくよく見れば、所々壊れている場所が見受けられる。完全に無傷と言うわけではなさそうだ。
「正直に言えば、そうだな。町全体が沈んでいる。……それは、見た通りだけじゃなく。人々其のものが、だ」
「そう……ですよね。全ては彼女たちが……」
少女の目は、表情は悲しみに彩られていた。
さっきまでの少女とは思えない程だ。スカートの端を握り締め、そして力が加わっている為か、腕が、全体が震えていた。町をそれほどまでに愛しているから。だからこそ悲しい。暗くなってしまったこの町を見るだけで悲しい。その想いが伝わってくるようだった。
「あ、ごめんなさい。……それでは家へ案内しますね」
「……宜しく頼むよ」
一頻り町を見た所で、ユーリは町へと案内してもらった。だが、その道中、一切住人とはあわなかった。皆 自宅に閉じこもっているのだろう。ユーリが見て感じたのは間違っていなかったようだ。そして、数秒歩いた後、町長の家へと到着した。
「それでは、中へどうぞ。父がお待ちしてます」
チサに入り口を開けてもらい、中へと入るユーリ。応接室ではなく、寝室へと案内されたようだ。そこで見たのは、ベッドで寝ている顔色の悪い中年の男性。ユーリとチサの2人を確認した後、ゆっくりと身体を起こした。
「これはこれは……よくぞカスタムへ来てくださいました。申し訳有りませんが、私は身体が
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