第2章 反逆の少女たち
第11話 カスタムの魔女
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少女の姿とも。
昔から、暇があれば眺めていた写真。……見間違える訳は無い。いつもは、自宅においてきているのだが、今回は思わず持ってきてしまっていた。
「……アイテムを預かってもらわないと、な。……写真をもってきたのは失敗だった」
ユーリはそう言うと、懐に再び仕舞った。
そして、捜索を開始する。暫く地図が示す町の方向へと歩いている時。不自然にせり上がった洞窟が見えてきたのだ。大きさから考えて、奥行きがかなり少ない洞窟。だが、大きな入り口もある為、人工物なのは解った。……が、地図に記載されていないのが解せない所だ。
これはダンジョンですら記載されている比較的細かい作りなのだが。考えながら歩いていると、その入り口に少女が立っているのに気がついた。どうやら、向こうも自分に気づいていたようで、目が合ったその時に微笑を浮かべ近づいてきた。
「すみません。キースギルドのユーリ様ですか?」
「ああ。そうだが、キミは?」
ウェーブの掛かった水色の髪、そして赤いカチューシャが似合う少女。丁寧な口調であった為、若いが町の代表者か?と思えていた。ユーリの返答を聞くと、歳相応の明るい笑顔を見せ深々と頭を下げお辞儀をしていた。
「ようこそおいで下さいました! 私は、カスタムの町の町長の娘、チサと言います」
「……成程、出迎えありがとう。こちらこそ宜しく頼むよ」
「はいっ!」
ユーリは右手を差し出すと、チサは直ぐにその手を両手で包み込んだ。これまで、数多の依頼をこなして来たが、出会ったその瞬間から、ここまで歓迎された事はこれまではなかった。恐らくは、冒険者が来てくれるのを心待ちにしていたのだろう。
それだけ切羽つまった状況と言う事なのだろう。
「それで、カスタムの町はどこにあるんだ? 地図上ではこのあたりの筈だが?」
「あ、すみません。依頼書の方に詳しく記載されてませんでしたね。道中で説明させていただきます。さぁ、こちらです。町長の父がお待ちしてます」
右手を横へと広げる。だが、その先は洞窟の闇が見えるだけだ。……いや、そもそも何故洞窟の前に彼女が此処に立っているのか、初めはそれが不思議だった。つまり結論をすると。
「……まさかとは思うが、カスタムの町は洞窟の中にあるのか?」
「……はい。そうです。その辺りも、おって詳しく説明させていただきます。」
そうユーリが聞いたとき、彼女の表情は暗く沈んでいた。その表情から察するユーリ。そして、洞窟の中にある町の異常性を含めて考察する。
今回の件。一筋縄ではいかないと。
〜カスタムの町〜
洞窟の中だから、暗く湿度が高い、つまりはジメジメしてるのだろう……と思っていたが、そうではなく、町全体も思った
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