第2章 反逆の少女たち
第11話 カスタムの魔女
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はいつもの事。それはユーリなら尚更であった。……なんであの腕で心配するのかは、ご想像にお任せする事にします。
彼に対する……、ハイニの中にある母性本能と言うものがある、だとだけ。
「それにしても……、似てるな。あいつが持ってたあの写真の女と」
キースは静かにそう呟いていた。
キースが見たのは5人が写っているの写真。夫婦であろう男女と、もう1人女、そして女を挟むように手を握っている子共が2人。もう、写真自体が古いもので所々が傷み翳んでさえいる写真だが……それでも似ていたのだった。
その後、ユーリは身支度を整えると、アイスの町から出発したのだった。
〜自由都市地帯 荒野〜
ユーリは、以前に購入した地図を下に、依頼の場所であるカスタムの町を目指していた。そして、今いる場所は荒野地帯。風が吹く度に砂埃が巻き起こる所々雑草や潅木などが生い茂ってはいるが、まさに不利用地だった。だが、その先に町がある筈……なのだが、地平線に眼を凝らしても、全く見当たらない。
「む……、奇妙だな。この地図の更新日はごく最近。……町の間違いなどありえるのか?」
町が見つけられず、頭を掻くユーリ。そもそも、ユーリは、カスタムの町には訪れた事が無い。≪筈≫だから、迷っているだけだろうと思っていた。
仕事の依頼は、大概がリーザス、自由都市地帯であれば、ポルトガルを主としている。大きな町こそ色んな依頼が舞い込むものであり、比較的平和とされているカスタムからは依頼が無いのだ。特に、真知子さんからは、『是非、遊びに来てください』と言うことを聞いてはいるが、中々時間が合わず、行けてないのだ。
「む……、この分なら 真知子さんに 連絡を取って、案内してもらえば良かったな」
それは、後悔後を絶たずである。だが、ユーリがそう考えてくれている、と言う面においては、真知子にとっては嬉しいニュースである。
そしてユーリは、懐にある写真を再び取り出した。
「……だが、この場所が、カスタムだった。と言う可能性があるのか。それを検証するのは無理だろうが」
少し微笑みを浮かべながら写真を眺めているユーリ。この世に現存する数少ない自身の昔の思い出の写真だ。……もう、全く覚えていないが、この表情は、とても穏やかで幸せそうなのが見ただけで判る。
そして、今回の依頼内容にあった写真も、再び目を通した。
「……似ている。アスマーゼさんに。そして、このコに。……まさか彼女が?」
ユーリは、そう呟く。
写真にいる1人の名前を。ユーリが、その家族が世話になったと言う恩人。その恩人に依頼書にあった少女が似ているのに驚いたのだ。そして、傍らでしっかりと手を握っている幼い
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