第2章 反逆の少女たち
第11話 カスタムの魔女
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を眺める。そして、暫くしてページを捲る手が止まる。
「カスタムの……魔女?」
目に入ったのは、懐かしい名前の町だ。確か、真知子やロゼがあの町にいる事を思い出していた。
「なんだ? その仕事にするのか? あ〜……いくら疲れてないとは言え、連チャンでするような仕事じゃねぇぞ? 報酬もあんまり高く無ぇし。内容も内容だ。正直、割りに合わねぇ仕事の見本だ。……何より魔法使い4人も相手。簡単な仕事じゃないぞ?」
「……割に合う仕事があるのか? と聞きたい所だな。今までの仕事で」
「まっ そーかもしれねーが今回のは結構マジだぜ? 判ってるだけの情報で魔法使いが4人だからな」
今までの仕事でも、料金に見合った仕事内容か? と言われれば首を横に振る事が多いが、確かにキースの言い分も最もだ。仕事先でアクシデント、もしくはイレギュラーで難易度が上がり報酬に比べて割に合わない様な状況など何度もこれまでに合ったことだ。
だが、今回は出だしから難易度が高い。
魔法と言うものは発動してしまえば、基本的には防ぐ事が叶わないものなのだから。……だが、相手が好都合な面もあるが。それは置いておく。
「……ま、確かにそうだが、それよりも気になってな。カスタムの事が」
「あんだ? ひょっとして……4人の魔女の事か? おおっ お前さんも見惚れてしまったか? 所帯を持つつもりになったってのか?」
「アホか。何でこの流れでそんな風になるんだよ」
相変わらず下世話なキースを尻目に 依頼書に目を通しだしたユーリ。
詳しい依頼内容。そして相手の事。
その一番奥に顔写真も同封されていた。ただ、これは6年前のもの。明らかに今とは違うだろうと思える。
「……ッ!!」
ユーリは1つの写真を目にして、驚きの表情を見せていた。
「……どうかしたのか? ん? その女は、魔女の1人か」
「いや……何でもない」
ユーリはそう呟くと、無意識に懐から一枚の写真を取り出した。それは、もう色褪せてしまっている程古い写真。写真の端をぎゅっと握り締めるユーリ。
「……似てるな」
「ッ……。ああ。そうだな」
ユーリはキースの声に気づいて慌てて写真を仕舞う。人前で見せるようなことはこれまで一度もしなかった事だが、それ程動転していたという事だろう。冒険者たる者、如何なるときでも冷静に行動する事を心がけてはいるが……、まだまだだと言うことだろう。
「……オレからは、これ以上は何も言わねぇし、訊かねぇ。……お前さんが話をしてくれるまではな」
「ああ。……悪いな」
いつもなら、ここぞとばかりに絡んでくる男だが、いい加減付き合いも長い。真に話したい事、話したくない事。それくらいは判るつもりなんだ。
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