第2章 反逆の少女たち
第11話 カスタムの魔女
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を沈めてしまう、陥没させる力など聞いた事も見た事もない。ただ、それを自分たちが味わうのは、恐怖以外の何でもなかった。恐ろしい程の魔力だった。
だが、その恐怖の根源は理解していた。
「あ、あの娘たちは……悪魔だ」
「なぜ、なぜこんなことが、できるんだ……? 親を殺すなんて……」
住人達は恐怖を語る。娘達が悪魔となった。狂気に囚われてしまったと。あの時、10年前のココ、同じ場所で。楽しそうに笑っていたあの親子はもう、何処にもいない。血も凍るような冷酷な瞳のまま、住人達を避けるように、自らが作り出した迷宮へと姿を消す4人の娘達。
今やラギシスの形見となっている彼女達の指に嵌っている指輪。それすらも、彼女達に彩られたのか、妖しく光輝いていた。
「この町は……おしまいなのか……?」
「だれか……だれか、町を救ってくれ……悪魔から」
こうして、カスタムの町は姿を消してしまったのだ。悲しみを、恐怖だけを残して……。
〜アイスの町 キースギルド〜
そして、更に数日後 キースギルドにて。
掲示板には大量の依頼が張り出されており、それだけでは納まりきらないらしく、キースの机にも大量に依頼書が置かれていた。
「ふ……ん、……入った最初に比べたら随分と量が増えたもんだな」
「かかかっ! これもお前さんのおかげってもんだぜ?これからも どんどん頼むぜユーリ!」
「……それは、お前の心構え次第だな。キース」
「あー……、悪かったって。もう、使わねえよ。お前さんの事は」
もう何度、やったかわからない、このやり取り。
信用できないにも程が有ると言うものだが、キースと言う男は、ユーリにとって一応恩人の1人である事には変わり無い為、ユーリはまだこのギルドに席を置いていたのだ。
そして、つい先日も仕事を終えたばかりで、休みを入れたほうが良いのでは? と言われたがあまりにも手応えが無かった為、連続で行っている。
基本的に、ユーリの場合はこれがスタンダードだった。
先の大仕事。リーザスの誘拐事件の時も同じく連続仕事の後の大仕事となっていて、それも無事解決に導いているから、その実力の底が見えないと、有名となっていたのだ。
その恩恵に肖れるのがキースギルド。
おまけにユーリの事も、取材させてくれだの、写真を取らせてくれだのがそこらへんからくるのだ。……その件に関しては拒否する事、と言っていたのだが、キース曰く『うっかりしてた』との事が多々ある。
その度に逃げたりしてる現状。流石に、戦って追い出すわけにはいかないから。
「ったく……マジで自重しろって」
ユーリはそう呟きながら依頼書を眺めた。次のページ、次のページ。一枚一枚、概要だけ
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