第2章 反逆の少女たち
第11話 カスタムの魔女
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れがラギシスの言葉と、リーダー格へと成長を遂げた緑色の髪の少女の魔法。5人の魔法が辺りに飛び散り、空はまるで割れたかのように悲鳴を上げ、大地も裂けて叫びを上げていた。ラギシス自身も、稀代の大魔女の教え子であり、全盛期は過ぎたとは言え、一流と言っていい魔法使いだ。だが、自身が育て上げた魔の刃は自分を遥かに凌駕している。
特にリーダー格の娘は、魔法の天才だった。
長年共にすごした彼女達のコンビネーションも一国の軍隊のそれに十分匹敵しかねない程のものだった。
水の魔法を放つ青い髪の娘。その威力は上級クラスのもの。直撃すれば人間を吹き飛ばし、致命傷を与えかねない威力を誇る。
そして、魔法自体は其れほど才覚は見られなかったが、剣術と応用し、強大な力、魔法剣士として昇華させた赤い髪の少女。一撃で命を穿つ太刀を振るう。
そして、紫色の髪の少女が、一瞬で無数の幻獣を放つ。どんな戦いでも、物量の差が勝敗を分けるといっていい程の重要なもの。その少女が呼び出す幻獣は、無限を思わせた。……即ち、無限の軍隊。
ラギシスは防戦一方になってしまっていた。否、4対1で ここまでもつだけでも驚嘆に値する。だが、そんなものに敬意を払う相手じゃなかった。
「ぐ……く……、こ、これは……」
ラギシスは、肩で息をし 所々に傷ができて出血しているのを抑えつつ回復を図ろうとしていたが、その時周囲の異様さに気がついていた。周囲にはもう、逃げ場が無いのだ。
幻獣、そして水の魔法、剣術。
近接戦闘、遠隔戦闘を巧みに使われ、そして最後は身を隠す場所も無く、その直線状には魔法の天才が既に術式を唱えており、いつでも放てる体勢となっていた。
「……ここまで、か」
ラギシスは悟った。もう、これ以上逃げるのは不可能だ。
広範囲極大魔法がもう数秒で襲ってくるだろう。
結界を張る時間は最早無い。否……、あの威力の力を止める術など……、自分には持ち得ない。
「死ねえええぇぇぇ!!!」
殺意と共にその薄黒い夜の闇に瞬く光。だが、それは慈悲無き光の裁き。白の波動が、ラギシス自身の身体を覆った。それは、自身の身体を細胞レベルで破壊していく様な力。この白光が過ぎ去れば自分自身も消え去るだろう、と思える力。その最後の時は嫌に長く感じていた。
(わ、わが……ゆび……わ……)
その波動が消え去ったその瞬間に、もうラギシスの姿は何処にも無かった。影も形も無く消滅したようだ。だが、脅威はそれだけでは済まされなかった。
次の瞬間に、町全体を覆う魔法陣が空高くに浮かび上がり、そして町そのものを沈めていったのだ。恐ろしいほど、町は震え、地鳴りが鳴り響く。
住人達はただ怯えるしかなかった。
町ひとつ
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