第2章 反逆の少女たち
第11話 カスタムの魔女
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1人は、塾に入って日も浅く、見るもの聞くもの、その全てが新鮮で、楽しくて仕方ないと笑う紫色の髪の少女。
所々では、ケンカっぽいことをしているが、それは仲が良い証拠と言うものだと、ラギシスは笑っていた。
「攻撃魔法、か……、そうだな。志津香はそっちの方が好きだったな。ならこれならどうだ?」
ラギシスは、反対側の手を宙に舞う花びらに向けた。すると、その花びらはまるで意思を持っているかのように踊り続け……花びらの一枚、一枚が細かく解れ、光を放ちながら四方八方に舞った。少女達が一斉に空を見上げた。
手を伸ばしてその花びらを掴む様な仕草を見せる。
それはこの世界の何処にも無い美しい光る花だと思えた。
攻撃魔法を好む彼女だったが、それを見てしまったらもう、微笑むしかない。それほど綺麗だったのだから。でも、素直じゃない少女でもある。
「……それ、攻撃魔法じゃないじゃない」
「そうでもないさ。目の前で急にされたらビックリしないか?」
「ん……、どんな魔法でも使い方次第って事ね。……なら使えそうだわ。今日はこれを続けたい」
「もう、しづかは、本当に素直じゃないんだから……。」
「あはははーー!」
「ふふふ……」
「ちょっと皆っ! ……ふふ、あははは!」
笑い声と共に、風に煽られた本物の花びらが宙に舞う。魔法で作った花と実際に現存する花。それは、……どちらも綺麗だった。
自然と皆ラギシスに寄り添い、空を見上げていた。
――……こんな平和な世界がずっと続けばいい。いつまでも皆で。
そして、……月日は流れる……。
LP0001 10月
〜自由都市地帯・カスタム〜
そこはあの時と何も変わらない同じ場所。
あの時から、美しく成長した少女達。そして、年老いたラギシスの5人がその場にいた。
ただ……絶対的に、違うものがそこにはあった。
「ッ! おいつめたわよ! ラギシス!!」
それは異常なまでの殺気だった。4人からそれは向けられており、その矛先がラギシス、育ての親だったのだ。
「お前達。どうしても、私とやるのか……」
明確な殺意を向けられた自身。だが……それでも、迷っているのはラギシスだった。それはまるで、あの時と同じ様に。彼女達を鍛える事で、町の生贄として捧げてしまっているのではないか? と悩んだあの時の様に。
だが……。
「許さない!」
「ッ!!」
そのラギシスに返ってきた返答が、殺気と自身が教えた魔法だった。それも相手を攻撃する為の魔法。……この町を守護する為に教えたはずの魔法だった。
「そうか、これがお前達の答えか……」
「行くわよ! みんな!」
開幕の合図。
そ
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