暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第2章 反逆の少女たち
第11話 カスタムの魔女
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いるみたいでね」
「なるほど……確かにそうですね。こんな風景ですし……、皆さんも彼女達を恐れて外出を控えてますから。はい。大丈夫です。見取り図は家にありますのでついてきて下さい」
「ああ、すまない。だが、今は大丈夫なのか?」

 チサは家とは反対方向を向いていた為、どこかに行く用事があったのだろうと思いユーリはそう聞いていた。

「あ、はい。大丈夫ですよ。お客様に御出しする飲み物、お菓子が切れてしまったので、それえとそれの買出しだけですから。急ぎではありません」
「……? ひょっとして、オレ以外にも、もう来たのか。冒険者が」

 ユーリは頭を掻きながらそう聞く。さっき自分がいった言葉を思い出したようだ。

「ふふ。はい」

 チサも何故苦笑しているのかわかったようで、微笑んでいた。格好いいのと可愛い。その5対5のブレンド。ユーリの事はとても素敵だとこの時、強く認識していた。

「あ、ユーリ様と同じギルド所属の方がこられました」
「……キースギルドから?」

 思い浮かんだのはラークたち。だが、彼らは他の仕事が丁度入っていた。それに、まだ金額訂正内容は時間的に更新されてないと思われるし、あの依頼をあの金額で受けるような人物は……。

『がはははは!!』

 考えてる最中に答えが出てきた。
 真面目に考えていたのが馬鹿らしく思える程にだ。……真面目に実力でテストを受けていたのに、無理矢理 見たくも無い解答を見せ付けられた気分だ。あの特徴のある『がはは』と言う笑い方、そんなのは ユーリは1人しか知らない。

「何を言っているのだ!? 30,000GOLD? ありえん額だ! 器の小さな町なのだな、成る程、地下に沈むわけだ! 報酬は50,000GOLD !そして、チサちゃんの処女だ! でなければ、この超英雄であるオレ様は動かないぞ!?」
「な、な、な、なにぃぃ!! 娘の処女ぉぉ!?!?!? そんなのぜ〜〜〜〜ったいにゆるさんぞぉぉぉ!!!!!」

 一気に騒がしくなる屋敷。まるで町中に響いているかのようだった。この場所にだけ……まるで賑やかさが戻ってきたかのようだ。だが、その内容だけはいただけない。

「っ……!? わ、わたしの処女……?」

 町にも響き渡る程の声。
 聞こえてないわけも無く、チサは頬を染めていた。自分は勿論初めてであり、何故それを先ほどの冒険者が知っているのか?と思ってしまったようだ。……それにここまでストレートに言われた事など、一度たりともないし、父親からのガードも堅い為 男性経験もあまりないんだ。

「はぁ……、これも縁ってヤツなのかね。しかし」

 見なくても誰がいるのか解るのが何故かぬなしく感じ、哀愁漂わせているユーリだった。
                   
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