第2章 反逆の少女たち
第11話 カスタムの魔女
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心できるんだ。
「……何故でしょうか、ユーリさんなら、本当に解決してくれる。絶対に大丈夫だって、強く思いました。お父様」
「うむ……。私も同じだ。安心できる。……こんな気持ちになったのは、町が沈んでから初めてだ」
親子共々、同じ意見だったようだ。
だが、その後ガイゼルは眉を寄せた。まだ、何かあるように。
「だが、絶対に娘はやらん」
……真面目そうで、頭の回転も早く、町想いの町長だが……、その実態は、娘LOVEの親バカだった。チサは苦笑いしつつ、足早に部屋の扉の方へと向かった。
「お父様。もう直ぐ次の冒険者の方が到着するとの連絡を受けてますので、町の入り口にまで、迎えにいってきます。この惨状……知らないと思いますし」
「ああ、頼んだぞ。チサ」
2人の話から、どうやらユーリと殆ど同時期に依頼を受けた者がいたようだ。チサは、その一覧を頭に叩き込んでいるが、念のために書類を確認しなおす。失礼が無いように、冒険者の名前、そして所属しているギルド名を間違えないようにする為に。
「次もユーリ様と同じ所属のギルドからです。……きっと、頼りになる方ですよ。お父様」
チサは、笑顔で向かった。初めこそ、物凄く若い方だと思い、不安が過ぎらなかったか?と言われれば嘘になる。だが、その雰囲気を見て、そしてさっきの語りを聞いて……、もう最大限に信頼できる人になっていたから。……人間は顔じゃない。と言う言葉を聞いた事はあるけど、本当にそうだとこの時強く思っていた。
――……からかわれる事を嫌うユーリにとっては、これは正に僥倖とまで言える事である。
カスタムの町を歩いていた時だった。
とりあえず、冒険の必需品は持ってきているが、敵の強大さを聞いた今もう少し消耗品を充実させたほうが良いと判断したユーリ。だが、思いのほか町は入り組んでおり、尚且つ住人が見当たらない為、アイテム屋がまだ見つかってないのだ。それにもう1つ寄りたい場所もユーリにはある。が、先ほども言ったとおり、見つけられてないのだ。
「ふむ。……流石にもう少し持っていったほうが良いよな。誰かいれば聞き様があるが、一度町長の所へ戻ったほうが早いか?」
あんな格好付けたのに、戻るのは聊か恥かしいが、これまでにも もっと、恥かしい思いはしてきてる。特に問題ないだろう。
そして、町長の屋敷へと向かう道中。チサに合う事が出来た。
「あれ? ユーリさん。どうかしましたか?」
目が合うなり、表情が変わったため、何かあるのだろうとチサは思ったようだ。それに、この先は町長の屋敷しかないと言うのもある。
「ああ、すまないが、この町の地図があれば頂きたいのだが……、中々に入り組んで
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