第2章 反逆の少女たち
第11話 カスタムの魔女
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した。目にも薄っすらと涙を浮かべている。……青年団の人たちとは面識があるとの事だった。
「……可哀想だが、もう生きてはいないだろう。迷宮で数日も戻らないとなると」
「……ッ。そう、そうですよね……」
ユーリの言葉でチサの最後まで失ってなかった希望の光が消えた感じがしていた。きっと、生きている。ずっと心の中で叫び続けていたんだから。
「……彼女達の目的は、一切わかりません。町に要求もないのです。……お願いします。私達を、町を救って下さい!」
「私からもお願いします。……彼女達を倒して、この町を、以前のような活気に溢れる平和な町に戻して下さい」
親子の2人はユーリに対し懇願する。全身全霊を賭けて。町の他の住人には出会ってないが、恐らくは全員同じ思いなのだろう。ユーリは、剣の鞘を左手で強く握り締めると、一歩前へと出て口を開いた。
「……任せろ。必ず元の平和な町に戻す。オレの命を賭けて」
「っ……!あ、ありがとうございます! ユーリ様!」
命をかけてでも救う。そんな言葉、今まで聞いた事無かった。これはあくまで依頼。仕事なのだ。命を失うくらいなら、逃げる選択を選ぶ事も勿論ある。でも、目の前の人は、決して逃げないといってくれている。勿論、口からのでまかせかもしれな。でも、不思議とそうは思えない。……彼の言葉、信じられるんだ。
その……、もの凄く若い方だけど、どれほどの経験をしてきたのだろうか、とチサは思ってしまっていた。
「……安心してくれ。必ず」
「はい……」
自然と顔を見合わせるユーリとチサ。その光景を快く思わない男がここに1名いる。こほんと、咳払いをするガイゼルだ。
「……娘はやらんぞ」
「っ/// お、お父さんったら……」
「安心して下さい。下心などありませんし、何より何処かの馬鹿と違って、節操無しでもないので」
ユーリが思い描く馬鹿。とは、今から数ヶ月前に共に仕事をした男の顔。傍若無人であり、唯我独尊。そして、鬼畜と言う言葉が似合う、しっくりとくる戦士である男。だが、その実力は本物だという事は共に仕事をこなした自分も解っている。……9割9分9厘。否、10割でその男が成功報酬で要求するのはGOLD以外にチサちゃんとか言いそうだ。そして、この娘LOVE でありそうな父親ガイゼルと一悶着有りそうな光景が 簡単に目に浮かぶのだ。
「成功報酬としては、一応20、000GOLDを用意させてもらいました。但し、依頼した冒険者は1人ではないので、成功した者だけが受け取る事が出来る早い者勝ち方式としてますが……」
「20,000ですか。………ふむ」
額を改めて聞いたユーリは考える。確かキースも割に合わないと言っていたが、それは間違いでは無い。この規模を考えればだ。相手の力はまだ
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