第2章 反逆の少女たち
第11話 カスタムの魔女
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。……魔女の彼女達も、その塾生、ラギシスの教え子でした」
その言葉を聞いてユーリは、考え込む。依頼書によれば、その魔女達は師匠である人を、殺している。
「……反逆した。そう言うことだな?」
「はい。塾生でした彼女達が、突如 ラギシス殿に反逆して、彼に勝負を挑んだのです。町そのものを揺らす程のもの、天災に匹敵するような戦いでした。彼は……、町を守る為に必死に戦って、それで……」
チサは、その言葉を口に出す事を躊躇ってしまった。だが、ぎゅっと手を握り締めると、再び口を開く。
「……彼は無念にも殺されてしまいました。そして、魔女達はラギシスの持っていた指輪を奪って、魔法でこの町を地下へと沈めて封印してしまったんです」
「町を沈める程の魔力……か。技能Lv2……下手をしたら、4人合わせて、Lv3に匹敵する可能性があるな。……そんな力を持つ少女達が魔法大国である《ゼス》にも知られていなかったと言うことか」
俄かには信じがたいが、技能Lv3。即ち、伝説級の力を持つ者が複数集まれば出来ない事は無いと判断する。……現に知っているその【伝説級】の力を持つものは、破壊力に特化していて、全部吹き飛ばしてしまうからだ。その力を全部繊細なものにすれば……出来るだろう。だが、そうなると想像以上の強敵が4人もいると言う事になる。
「きっと、その力は彼女達のものでは有りません。……ラギシス殿が持っていた指輪の力で魔力を増幅しているんだと思われます」
「……成程、指輪か」
魔力増幅の装備品は、確かに存在する。魔力増幅の装備品で代表的なのが、亜人・カラーのクリスタルの加工品だ。だが、ただの一魔法使いが、強大な力Lv3に匹敵しかねない力を有する程増幅させる事はクリスタルでも出来ない。……そして、聞いた事も無い。仮にそのような物があったとしても、それは危険と判断され、それこそ封印されているか、一国で厳重に管理されているかだろう。
だが、……本当にそんな指輪があるのだろうか?
……この町で目撃者であるチサが見ている以上は、疑うより確かめた方が確実だと判断していた。
「町を封印した彼女達は、その後迷宮を築くと、私達の生活を脅かすようになりました。……数々のモンスターが町へと侵入してきたり、それに若い女性が誘拐されたり……」
「反逆したのは師であって、何故町にも……?何か動機の様なものがあるのか?」
「いえ……何もわかりません。嘗ては、彼女達、そしてラギシス殿を含めた5人で笑い合っていたそうです。……彼女達が悪魔になった。としか。それに青年団の4人が魔女を討伐しようと迷宮区に潜っていきましたが、まだ誰も帰ってきてないのです」
「……それは、いつの事だ?」
「もう……数日も前の事です」
そう言うと、チサは肩を落と
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