第2章 反逆の少女たち
第11話 カスタムの魔女
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いる者を選出し、本格的に鍛える。即ち、ラギシスの弟子となり、町の守護者となるべく教育をして行こうと言うものだ。
だが、ラギシスは迷いもあった。
それは先ほどの会話から判る様に、少女達を戦いの道具とするかのようなこの決定に心を痛めていたのだ。だが、それを支えたのが町の住人。ラギシスがそんな男じゃないのは知っていると、常に世話をしてくれる皆の存在だった。
そして、何よりも町の皆を、ラギシス自身を笑顔にさせたのが、弟子の娘達の存在だった。
戦いの道具?生贄?
今の彼らを見てそう思える者など誰もいないと確信が出来る。
――……ラギシスに集まる少女達は皆、笑顔なのだから。
まるで、師匠弟子関係じゃなく……親子そのものだと思えた。
弟子は3人、そしてまた、1人増えて 4人となった。例外なくラギシスは愛情を注ぎ、そして、4人も全員ラギシスを慕っていた。
「さぁ、今日は天気もいいし。草原で授業を行おう。皆? 行くぞ」
『はーーいっ!』
魔導を習うのは、屋内に篭り 延々と講義をする事が確かに最速だ。だが、部屋に篭りっぱなしでは、身体にも毒だと言うのも事実だった。授業の名目で外へ連れてゆくラギシス。
傍で見れば良くわかる。
まだ幼い少女達。……遊びたい盛りの少女達なのだから。
「うん。……まるで本当の親子だ」
「……何言ってるんだよ。今更。……もう、それに負けないくらい強い絆で結ばれてるよ。ラギシスさんとあの子達は」
皆で手を繋ぎ、草原の方へと歩いていく姿。その姿を見たら、誰もが同じ思いを持つだろう。そして仲睦まじい声も聞こえてくる。
「ねー、今日はどんな魔法を教えてくれるの??」
「あっ、私は可愛いのが良い!」
「私は、断然 攻撃魔法!」
「ふふ、焦らない焦らない。……今日はこれだ」
そのやり取りは、師匠と弟子のものではなく。真に彼らを信頼しているからこそ、出来る言葉使い。心を開いているからこそ、そう接する事が出来るのだ。
「わあああっ!! すごーい!きれーーっ!」
ラギシスが草原で軽く指先を振るうと、あっという間に、色とりどりの花びらが宙に舞った。幻想的な空間を生み出し、思わず夢中になってしまう。
「本当に綺麗ね……。私も使えるかしら……?」
「ああ、直ぐに出来るようになるさ。」
「私はそんなのより、攻撃魔法がいい。そっちを教えて欲しいわ」
「もぅ……こっちの方がきれいだよ? しづかっ!」
綺麗な魔法を中心に、きゃいきゃいとはしゃぐ少女達。
1人は、攻撃の魔法を好む緑色の髪の少女。
1人は、うっとりとした目で花びらを見ている赤い髪の少女。
1人は、攻撃魔法ばかりの少女に苦言を呈する青い髪の少女。
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