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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜銃声と硝煙の輪舞〜
少女の葛藤
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撃のミリ単位の正確な軌道予測に、それに対する数百通りの対処方法から的確な手を打てる判断能力。当然、ソフト面だけじゃないぞ。手首や肘、膝や足裏に至るまでの全身運動で相手を巻き込まなくちゃいけないからな」
「わ、分かってるけど、それでも身体が言うことを――――」
「ユウキ」
紡がれたその言葉は、対して張っていた訳でもないのに少女は縫いとめられたように続きを発せられなかった。
どこか優しげな目つきのテオドラは再度酒ビンを傾け、口を開く、
「お前は《柔法》を教えてほしいとあたしに言った。別にその理由は訊かないが、教えてくれっつーんだったら、それ相応の態度があるだろ」
「――――ッ」
「実際、ユウキの才能は卿も抜いてるよ。自身持てって」
「……それでも、追いつけないんだ。レンには……まだ、足りない」
絞り出すようなその声に、《柔拳王》と呼ばれた女性は思わず頭に手をやった。
―――あのガキンチョ、家族のケアぐらいしろよ。……ったく。
ぽりぽりと浅黒い頬を掻くテオドラは、そこで笑みの形に唇を整えると、自らの非力さに苦悩するちっぽけな少女の頭に手のひらを置いた。
かつて一時期、握手することさえ恐れられたそれを、左右に振る。艶やかな髪がさらさらと指の間を流れていく感触に目を細めながら、言葉を紡ぐ。
「あー、アイツもさ。その、お前のことは信用してると思うぞ?力が足りないとか、そういうことはどーでもいいじゃねぇか。姉なら姉らしく、胸張ってろって」
それに、少女に言ったことは事実である。
ユウキのこと、才能という部分であれば六王の中でも卿を抜いている。事実、つい先刻ユウキが行った上段蹴りは明らかに《柔法》の基礎が使われていた。でなければ、あの質量差と速度で僅かとはいえ軌道をズラせた理由が見当たらない。
脚での《柔法》。それはテオドラがアインクラッドで二年という歳月を過ごし、いまだ極めていない分野である。手で教えた技術を即効で脚に転換できる辺り、天賦の才の違いというものを感じさせられたのは否めない。
―――ガキのお守りは
現実
(
リアル
)
で充分だっての。
はぁ、と。
思わず溜め息をつく女性の脇で、轟音とともに台地が爆ぜた。
地面に有角の頭も相まってか深々と突き刺さっていたマグナテリウムが、持ち前の圧倒的な膂力をもって埋まっていた周囲の土ごと引っこ抜いたのだ。
ガラガラ、と岩混じりの土砂を振り落しながら真紅の眼光に怒りの色を足しながら、巨大熊は現在最も自身にダメージを入れたテオドラを睨みつける。
分かりやすいお前の方がよっぽど気が楽だな、と心の中でも溜め息を吐いたテオドラは、太極拳のようにゆらりと、平を上に右手を上げた。
構えも何もない、見様によっては手
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