序章 May―踊り始める現在
Collision, Who will dance?
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すよ」
俺の場合、瞳持ちだから使わなかった時点で手を抜かれたとバレてしまう。
誰から見ても分かるくらい瞳に変化が表れるからだ。
「それに俺が負けたら助長するだけでしょ」
「まぁな………」
もっと根本的な部分を解決しなければならないのだが、俺も千冬さんも中々出来ていない。
まぁ嫌いな奴に説教されて「はいそうですね」と言える人は大人でも少ない。
俺が率先して解決しようとしても悪化するだけだ。
「まぁこれは一夏にでも任せましょう」
「アイツも嫌われてるだろう」
「大丈夫でしょ。アイツはアイツなりに強いですから」
「まぁ…、そうだな」
「あっ。あっさり認めましたね。やっぱり愛すべき弟に向ける言葉は違いま――」
―ガシッ
アイアンクローを決めようとする右手を両手で何とか押さえた。
そう何度もくらってたら頭がもたない。
「私はからかわれるのは嫌いだ」
「分かりましたんで手を納めてくれませんか?」
空いた左手が俺の頭に置かれる。
何をされるのか検討がついたけど手を掴まれてるせいで逃げれない。
「あともう1つ、お前に説教をできるチャンスは逃さん」
――ギリギリギリギリ
思いっきり指先に力を入れられた。
爪が頭に突き刺さってホントに痛い。
「止めて下さい!暴力反対!」
「ならとっとと仕事して来い」
頭を掴まれたままぽいっと部屋の外に投げ出されドアを閉められた。
「いててて…」
本当に一夏のことになると融通が利かなくなるな。
こういうのを見るたびにやっぱりあの時ああしといて良かったなと思う。
さて言われた通り仕事をしますか。
「シャルルー……はどこだ?」
隣の自分の部屋を覗くが誰もいる気配がしない。
まぁいつも一緒にいたらそれはそれで問題か。(鈴には白い目で見られてるし)
たぶん、一夏の所にでもいるだろう。
俺は足早に寮を出た。
◇
(セシリアside―第3アリーナ)
セシリアは一足早くアリーナで訓練を始めようとしていた。
話によるとこの学年別トーナメントに優勝すると男子と付き合えるとか。
何としてでも優勝したいが専用機持ちの多いこの学年、一筋縄ではいかないのは確か。
せめて、この前優さんに教わったコンフリクトをマスターしたい。
アリーナの設備で的を出現させ、以前の特訓で優さんがくださった散弾タイプのスターライトを構える。
が、突如放たれた砲弾に緊急回避する。
「貴女は……」
砲弾が放たれたと思われる場所へ視線を向ける。
漆黒の機体、先日、一夏に敵対心を向けていたラウラ・ボーデヴィッヒの姿があった。
「一体何の御用でしょうか?」
「簡単なことだ。腕試
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