序章 May―踊り始める現在
Collision, Who will dance?
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優は借りた打鉄の近接ブレードを俺に向けた。
「剣道で俺に勝ったことないだろ、優」
「ISと剣道は一味違うことを教えてやるよ、一夏」
――ガキン!
開始早々、俺は瞬間加速で一気に加速して推進力を付けた一撃を振るう。
それを優は肩部の物理シールドをふたつあわせて防いできた。
「大見得切った割に受け身から入るなんてな」
「別にでかく出たからって攻撃的に戦うわけじゃない」
「あぁ、そうかい!」
1回刀を払い、再び刀を交える。
優はそれも苦しそうに俺の剣を受け流していた。
優はコンフリクトを使ってまで遠距離系を使うことに拘るのは接近戦を苦手にしているからだ。
なら、セシリアと戦った時と同じように近づけばこっちの土俵に持ち込むことができる。
「ちっ……」
「逃がさなねぇ」
距離を取ろうとする優に瞬間加速で再び肉薄する。
その勢いのまま下段から一気に上段に振り上げ、優の手から刀を弾く。
優はこの流れを読んでいたらしく完全に弾かれる前に収納し再展開して上段から降り下ろしてきた。
が、雪片は優の刀と交わることはなく空を切った。
(わざと展開速度を遅くして…!?)
雪片と俺の体の間で刀が完全展開される。そこから一閃を受けた俺はバランスを崩される。
この後、優が言っていたことの意味を身をもって知った。
斬ったら武器を収納、すぐに逆の手に展開、斬る、また収納、展開……
一刀だけで二刀の乱舞のように次から次へと剣撃が放たれる。
瞬く間に白式のシールドエネルギーは無くなり俺は負けた。
「大丈夫か?」
「あぁ。ありがとう優」
結果を見れば惨敗。
きっとポンポン攻撃できたのも、優が受身の体勢で攻撃を受けてたのも当て拍子を使って俺が攻撃しやすいリズムを作ってたからだろう。
けれど、俺は今までISを使った中で一番の確証を得た。
優が見せてくれた連続展開。零落白夜を持つ白式に力は要らない。
相手が防ぎきれない程の手数さえあれば俺は近接戦で最強になれる。
「あとは遠距離に対してだな」
「あぁ、それは……」
優は何かを言っていたが不意に奥の方で皆が騒ぎ始めたために声はかき消された。
「ねぇ、ちょっとアレ……」
「ウソっ、ドイツの第三世代型だ」
「まだ本国でのトライアル段階だって聞いてたけど……」
皆の視線の先にいたのはもう一人の転校生、ドイツの代表候補生ラウラ・ボーデヴィッヒだった。
『おい』
ISのオープンチャンネルで声が飛んでくる。
初対面があれだったのだから、その声は忘れもしない。ラウラ本人の声だ。
「……なんだよ」
気が進まないが無視するわけにもいかない。
俺がとりあえずの返事をすると、言葉を続けながらふわり
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