序章 May―踊り始める現在
Collision, Who will dance?
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◇
(セシリアside)
「はぁ……」
昨日あんなに撃ったせいで右腕の感覚がおかしくなってます。
途中からは片手で持たされての射撃だったので真っすぐ歩いてるつもりでも右に傾いている気がする。
しかも、撃った弾道を逐一覚えないといけないので訓練の光景が脳裏に浮かび上がる。
大体のコツは身につけましたが、もうあんなことしたくない…。
私も近接型のISを使いたいです。
「セシリア」
「優さん。おはようございます」
優さんはふわっと柔らかい笑みを浮かべてくれる。
昨日の訓練を乗り越えられたのは本当に優さんの存在が大きかったです。
これが祖国のお堅い人と一緒だったら死んでました。
でも、これ飴と鞭ってやつですよね?
「おはよう。これを渡そうと思ってたんだ」
小型の銃を渡された。小型と言ってもIS武装。
でも両手なら生身でも使えますね。
「これは?」
「スターライトMk-3の拳銃型だな。昨日山ほど撃ったからな。解析する時間があった」
「ありがとうございます」
よく見ると自動拳銃にリボルバーが付いている謎過ぎる変態構造。
これは銃弾が実弾ではなくエネルギー弾だからできる芸当ですね。
(データ見せたわけでもないのによくできますね…)
操縦技術だけでなく整備技術もあるということ。
優さんの頭はどうなっているのでしょうか?
「で、これが予備の弾倉。
でこれが機体からエネルギー輸送させる装置」
わたくしの手の中にゴロゴロとあまり見覚えのない装置と説明書らしい紙が山のように積み上げられた。
優さんも一緒に持ってくださるこのシチュレーションはとても嬉しいのですが。
「優さん……」
「ん?」
「つまり、これも…覚えないといけないのですよね?」
弾道も含めて。
「そうだな」
爽やかな笑みを浮かべて恐ろしい真実を伝えられた。
あの地獄の訓練をまた……。
「容赦ないんですね…」
きゅーと倒れてしまった。
◇
(一夏side―第三アリーナ)
シャルルが転校、優が学校に戻ってから2週間。
土曜なのになぜかある授業が終え、やっと迎えた自由時間。
と言っても俺は皆より遅れているから訓練の時間になる。
というわけで今はアリーナで優と模擬戦をするところだ。
「白式も雪片だけなのか?」
「あぁ。欠陥機らしいからな」
俺の言葉を聞いた優はおかしそうに笑った。
「雪片があって欠陥機扱いか…贅沢だな」
「零落白夜あっても剣一刀は辛いぞ」
さっきのシャルルとの模擬戦見たよな?遠距離武器で舜殺だっただろ……。
「じゃあこの勝負、俺が一刀で勝ったら、その言葉撤回しろよ?」
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