―終局―
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「……何?」
手始めに発動したカードは多用するカードの一つ、速攻魔法《手札断殺》。もはや説明不要ではあるが、お互いは手札を二枚墓地に捨て、さらに二枚ドローするという効果を持つ。これでアモンの手札のエクゾディアパーツは墓地に送られ、完成が遅れることとなる――
――などということはありえない。むしろ、エクゾディアパーツの完成を助けることになるのは自明の理だ。わざわざサルベージが容易なエクゾディアパーツを墓地に遅らせてやり、相手の損失もなく手札交換をさせてやるのだから。
「貴様……」
それが分からないアモンではなく、二枚の手札交換を果たしながら、こちらの目論見を探ろうとする。今の《手札断殺》だけで出来たことと言えば、ただの時間稼ぎに過ぎない――いや、アモン相手なら時間稼ぎにもならない。
「……あんまりカイザーを失望させるなよ、黒崎遊矢」
命を賭けてエクゾディアに立ち向かった、カイザー――丸藤亮の名をアモンは口に出した。カイザーは俺と十代にメッセージを託して散った。アモンにそう言われるまでもない……!
「その目つき……何か考えがあるらしいが……神の前では無力だ! 魔法カード《究極封印解放儀式術》を発動!」
「――――!」
これがエクゾディアパーツを墓地に送っても、時間稼ぎにもならない理由――手札と墓地に、それぞれエクゾディアパーツが五枚揃っている、ということが条件の魔法カード。先程までは四枚しかエクゾディアパーツを揃えていなかった筈だが、先の《手札断殺》で最後のパーツを手札と墓地に揃えたのか。
「手札と墓地に五枚のエクゾディアパーツがある時、墓地のエクゾディアパーツをデッキに、手札のエクゾディアパーツを二枚まで墓地に送ることで、デッキから《究極封印神エクゾディオス》を特殊召喚する!」
遂に降臨する神のカード。厄介な手順はまるで降臨の儀式のようで、かつて俺が使っていた不完全体とは違い、完成した力を纏っている。効果や攻撃力も進化しており、あのカイザーを一手違いとはいえ葬るほどの力。
「エクゾディオスは墓地のエクゾディアパーツの数×1000ポイントの攻撃力アップさせる。よってその攻撃力は2000」
俺が使っていた不完全体は出した当初は攻撃力が0だったが、《究極封印解放儀式術》を介して特殊召喚したことにより、その攻撃力は最初から2000。さらに攻撃する際、エクゾディアパーツを墓地に送ることで攻撃力がアップし、墓地に揃えることで特殊勝利が確定する。
「――対策もなく出させるほど、俺だって馬鹿じゃない」
「何……?」
確かに神のカードの力は偉大だ――そもそもそれを得るために、俺はこうして立っているのだから。だが神のカードとて穴はあるのだ、と……それを証明するよ
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