―終局―
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――何度か経験した異世界への移動。以前は強制的やエクゾディオスの力であったが、今回の移動は《スピード・ウォリアー》……いや、機械戦士たちによるもの。デュエルディスクに装着された【機械戦士】デッキが守ってくれることを感じながら、俺は異世界の狭間を移動していく。十代に翔、クロノス教諭の存在もそれぞれ近くに感じながら、やがて俺たちは新たな異世界に到着する。
目を覚ますとそこは、一面が霧で覆われているような異世界。遠くどころか近い距離すらも見えないが、人間の顔だけははっきり見える……不思議な場所だった。十代にクロノス教諭、翔も無事に来ていることを確認すると……それより向こうにいる、二人のことを視認する。
「やあ十代……早かったじゃないか……」
「……ふん」
対峙するアモンとヨハン。ただしヨハンはかつてのマルタンのように、ヨハン自身の意識はなく、カードの精霊――《ユベル》に乗っ取られている。今にもデュエルが始まりそうな一触即発だったらしく、そこに俺たちが割り込んできた、ということらしい。
「今さらお前らが何をしに来た? 覇王の抜け殻に、何の力もない奴が」
「決まってるだろ」
エクゾディオスの手のひらに乗るアモンがこちらを睨みつけ、言外にお前らはここに来る資格はない、と見下してくる。その言葉はただの驕りではなく、エクゾディオスの力も相まって、本当の王のようでもある。だが、それに屈することはなくデュエルディスクを構え……俺はここに来た意味を宣言する。
「デュエルしに、来たんだ」
そう宣言する俺に対し、アモンは失笑で応えた。今さらお前とデュエルする気などないと、言葉を交わさずとも分かる雰囲気だ。……いやそれどころか、むしろユベルとのデュエルの邪魔が入ったことについて、怒りすら感じられるほどだ。
「何を言うかと思えば……」
「いいじゃないか、王様」
すると、ヨハン――いや、ユベルが予想外にも乗り気な表情で、座っていた椅子から立ち上がってデュエルディスクを展開する。……その視線はただ一点、十代にのみ向けられている。
「さっきまでは君と戦う気だったけど、十代が来たんなら話は別だ。君は後回しだよ、王様……なあ十代?」
「ユベル……」
怒りや悲しみ、様々な感情をごちゃ混ぜにした十代の瞳が、十代に語りかけるユベルを見据える。もはや話し合いが通じる相手ではないと、十代もまたデュエルディスクを展開する。
「そういうことだそうだが?」
「ふん……確かに、ユベルと戦う前の肩慣らしに、一度負けた借りを返すのも悪くはない。いいだろう黒崎遊矢。真のエクゾディオスの力を見せてやろう」
以前のエクゾディア・ネクロスのことを言っているのか、アモンはそう言うとエクゾディオスの手のひらか
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