二十九話:行き倒れと日常
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に俺は何も言い返せなかった。
というか、言えない……ジークが無銭飲食をしていないかで心配していたなんて…言えない。
「リヒター……私のことをこんなに心配してくれとったんやね。……おおきに」
機嫌を直したジークが上目遣いで俺を見つめながらそっと寄り添ってくる。
やめろ、そんな邪の無い目で見つめられたら恥ずかしさと罪悪感で死んでしまう。
とにかく今は我慢だ。我慢をすれば必ず希望の芽が出てくるはずなんだ…!
「いいところにお邪魔して悪いんですけどリヒター君にプレゼントです」
そう言って何かの袋に詰められたものを渡して来るシャマル先生。
よし、これで微妙な空気から解放される。これこそが希望の芽なんだ。
「ありがとうございます。ところでこれは何なんですか?」
「昨日ヴィヴィオちゃんから連絡があったので急いで作ったんですよ」
ニッコリと笑って優しい声で答えてくれるシャマル先生。
何だろうか……嫌な予感しかしない。それにヴィヴィオちゃんということは―――
「お薬ですよ、お・く・す・り」
その後、冗談が過ぎるとシグナムさんから折檻を受けて涙目になったシャマル先生からさっきのは冗談で中身はただのお菓子だと聞かされるまでヴィータさんに慰められていた俺だった。
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