二十九話:行き倒れと日常
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念だ。
「しかし、大家族ですね。八神家は」
「まあ、そうだな。あたしが一番新入りだけどそのうちまた増えそうだし」
そう話すのは真っ赤な髪をツインテールにしているアギトちゃん。
ついでに言うとリインちゃんとアギトちゃんはユニゾンデバイスらしい。
俺もユニゾンデバイスが欲しいと思ったのは内緒だ。
「後ははやてちゃんがいい人を見つけてくれれば」
「それは言わん約束や……」
少しからかい気味にはやてさんに話しかけるのはホンワカとした雰囲気を持つシャマル先生だ。
……うん、俺がヴィヴィオちゃんからお勧めされた医者だ。
これじゃあ、まるで俺が診察を受けに来たみたいじゃないか。
「ところで二人はどういう関係なのかしら。もしかして……付き合っているの?」
「つ、付き合う!? い、いや私らはそんな―――」
「事実無根です」
「………ふん」
シャマル先生にキッパリと事実を告げる俺の隣でジークが頬を膨らませて拗ねている。
あらあら、と手を口に添えて笑うシャマル先生には悪いがこれ以上何かを言うつもりはない。
「ほほう、素直やないねー。リヒター君は」
「何を言っているんですか、はやてさん」
「ふっふっふ。私は忘れとらんで。タヌキと呼ばれた恨みを」
「そんな性格だからタヌキって呼ばれるんだと思いますよ」
黒い笑みを浮かべるはやてさんに思わずツッコんでしまったのは仕方がないことだ。
だからシグナムさんは少し鋭くした目で俺を見ないで下さい。
何かに目覚めてしまいます。
「ここにリヒター君が家に来るまでの間に知り合いに通信した記録があります」
「なんであなたが持っているんですか」
「私は八神司令やで」
「職権乱用って言葉知っていますか?」
俺の問いかけをまるで始めからなかったかのようにスルーしてデータをいじり始めるはやてさん。
目でヴィータさんとシグナムさんに助けを求めるが二人共諦めろと首を振り、ザフィーラさんは我関せずで目を瞑っている。
リインちゃんとアギトちゃんは笑顔でサムズアップ。可愛いがどうせなら別の時に見たかった。
「これがリヒター君の秘密やー!」
結局止められずに映像が流され始める。
まずは凄まじい量の汗をかき始める俺。そして次に爪を噛みながら話だし、ミカヤとの通信では地震かと見間違うレベルの貧乏ゆすりを始める。
最後にはその全ての症状を発症しながらヴィヴィオちゃんと通信していた。
というかなんだ、この映像は恥ずかし過ぎて死にたい。
普通に病気を疑われてもおかしくないぞこれは。
「つまりリヒター君はそっけないフリしとるけど心の底ではめっちゃ心配しとったんやー!」
ビシッと俺を指差しながら語るはやてさん
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