二十九話:行き倒れと日常
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私の家で寛いどるよー」
「……分かりました。地図を送ってくれませんか。迎えに行くので」
「了解やー。ついでやし家でご飯食べていきーや」
「ありがとうございます。では後ほど……ヴィクターに伝えておかないとな」
通信を切り今度は安堵から深い溜息を吐く。
そのまましばらく目を瞑った状態でいたがヴィクターにメールを入れ、それから迎えに行く準備をするために動き出す。
何故かペンと間違えて持っていたネギを放り投げカバンを取る。
それにしても良かった……。
「本当に良かった―――飢えの余り無銭飲食をしていなくて」
一回空腹の余りお金を持っていないことを忘れて食べて、後から俺に助けを求めてきた前科があるからなアイツ。
「どうせデバイスを忘れてランニングに出て偶には別のコースを走ってみようと思って脇道に入ったらそのまま迷って腹を空かせて最終的に倒れたところをリインちゃんに拾われたんだろ」
「すごいですぅ。リインが聞いた話と全く同じですー」
「な、なんで分かったん?」
「お前がジークだからだ」
これ以上的確に表現できない回答にも関わらず何故か怒って俺の肩を揺さぶって来るジーク。
なぜだ、リインちゃんなんて俺の名探偵並の推理に目をキラキラさせているのに。
「それにしてもインターミドルのチャンピオンが行き倒れなんて世も末だな」
「残念ながらこれが日常なんです。ヴィータさん」
赤い髪を三つ編み(?)にしたヴィータさんに軽く悟った眼で告げるとドン引きされた。
見た目はロリっ子だがどうも俺よりも遥かに年上らしい。
何故知っているのかというとヴィータちゃんと呼んだらお説教と共に教えられたからだ。
「しかし、チャンピオンか。大会中でなければ手合わせを頼みたいところだったのだがな」
物凄く残念そうに語るのはピンク色のポニーテールのシグナムさん。
生粋のベルカ騎士らしくこの家で一番の強さを誇るらしい。
ただし、はやてさんを除いてだが。
しかし、特筆すべきところはそんなところではない。
おっぱいだ! フェイトさんやミカヤよりも大きくそれでいて全く垂れていないおっぱい。
キングオブおっぱい。おっぱい騎士の爆誕だ。
だが口には出さない。俺だって相手を考えて言います。ミカヤは特別だ。
「ところでなぜお前はしっかりとした家に住まないのだ? テント暮らしでは不便だろう」
「えーと……遺伝?」
「……そうか」
ミウラちゃんの師匠である守護獣のザフィーラさんがジークにもっともなことを言うがふざけた返答に何を言ってもダメだろうと悟り黙って目を瞑った。
何気に久しぶりに出会う男性だがやはり年齢が離れているので気軽な友達にはなれそうにない。
無
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