【ソードアート・オンライン】編
093 彼らから見た主人公
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
――「ふーっ…。……やっぱり自分≠ノは勝てないみたいだ。……ドライグの存在の有無は関係無かったみたいだな。……さて、そこで悠々自適とこっちを観察しているお兄さん=Aそろそろ出て来てくれないかな」
「っ!? ……少々邪魔をしてしまったみたいだね」
黄昏時の河に反射した黄金色の光を、彼が飛び散らした汗がまたその光を反射させている風景は何とも云えず幻想的に見えて、そしてそれに魅入られてしまっていた。……そして彼にも気付かれてしまった様だ。
「邪魔…と云うかは、疑問に思っただけだけど──って不躾ながら単刀直入に訊くが、もしかして貴方は物理学者≠ニかだったりしないか?」
「おや? 私を知っているのかね?」
彼は何かを思い出した様に訊いてきた。……確かに≪天才量子物理学者≫などと云われたこともある。メディアには顔を出しているが──自分で言っていて何だが、そこまで表立った話でも無かったはずである。
「ああ。……とは言っても、弟が貴方のファンでね。その流れでたまたま覚えていただけだよ。……ああ、気に障ったなら謝るが、別に貴方を貶しているわけでは無いので、悪しからず。……って今更ですけど言葉遣いとか直したほうが良いですかね? 先ほどから不躾の連続で誠に申し訳ありませんが」
「いや、今更取り繕われてもこちらが困ってしまう。……それに不躾≠ニ云うなら、君のアレ≠覗き見した私が一番最初だよ。もし君が言葉遣いの件で気に病んでいるのなら、それで手打ちにしてもらいたい。……まぁ、私が気にしないだけで、気にする人は多い様だから気を付けた方がカドが立たないのは確かだがね」
「覚えておこう」
14、15歳で、大人を相手にここまでちゃんとしたコミュニケーションを取れるのは珍しいものである。……実際、私は彼との会話にストレスを懐く事は無く──寧ろ歳上を相手にしている感覚すら有った。
「それにしても、私だけが一方的に知られてるのも変な話だと思うだろう?」
「あー、自己紹介はまだだったか。俺は升田 真人。貴方のファンな弟を持つ、どこにでも居そうな中学生だよ。……取り敢えず茅場さん≠ニでも呼ぼうか」
「……ふ、ふっ、ふははははははっ!」
「いきなり爆笑? ……なんでさ…」
彼からしたらだが──いきなり笑いだした私に胡乱気な視線を向けてくる彼だが、あんな闘舞≠見せたのに、彼は「貴方のファンな弟を持つ、どこにでも居そうな中学生だよ。」──と何とはなしに自分を語った。……それも自嘲や謙遜の意を見せずに。
これを笑うな≠ニ云うのは酷な話だろう。
「ふっ、気に障ったようなら謝
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ