第2章「鉄壁」
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手用のモニターで状況を確認していた藤田は顔をしかめながら呟き、まるでその呟きが聞こえたかの様に事態は最悪の方向へと動き始めてしまう。
編隊を離脱して水平飛行を始めたサリア機とココ機を含む三機の頭上の虚空に紅の雷光が爆ぜ、それをモニターで確認した永倉は渋面を作りながら口を開いた。
「長曽我部二佐どうやら最悪の展開ですよ、三機の上空に異状現象発生、恐らく彼女達の対抗勢力だと思われます」
「……不味いな、このままだとまともに攻撃を喰らう」
(三機を救援するには第一中隊主力からでは距離が有りすぎる、ならば……)
永倉の報告を受けた長曽我部は顔をしかめて呟きながら指揮官用のモニターに映し出される状況を確認し、映し出されている状況を素早く把握した後に素早く藤田に命令を下した。
「藤田、スーパーX3を異状現象とサリアさん達の間に移動させろ、エンジンを目一杯ぶん回せ!!」
「了解(ラジャー)最大速度でぶっ飛ばします!!」
長曽我部の命令を受けた藤田は叩き付ける様な口調で応じるとスーパーX3を加速させ、スーパーX3は猛然と加速しながらサリア達の上空へと前進を開始した。
サリア機
スーパーX3が猛然と加速を開始した頃、サリアは戦闘直前の状況にも関わらず故国への逃亡を図ったアンジュのグレイブの横にアーキバス・サリア・カスタムを移動させ腰のホルスターから引き抜いたオートマチック・ハンドガンをグレイブのシートに跨がるアンジュに突き付けていた。
「もう一度警告するわ、アンジュ、隊に戻りなさい、敵前逃亡は重罪よ」
サリアは警告の言葉をかけたがアンジュは何かに取り憑かれた様な表情で方向すら定かでは無い故国へとグレイブを前進させ、その様子を目にしたサリアは顔をしかめさせながら再び口を開いた。
「アンジュッ!!」
「アンジュリーゼ様」
サリアがトリガーにかけた指先に力を込めながらアンジュの名を読んでいると、追い付いて来たココがアンジュに向けて声をかけ、その奇妙に明るく弾んだ声を受けたサリアは思わずトリガーから指を離して接近して来たココのグレイブに戸惑いの表情を浮かべた。
「あたしも、一緒に連れて行って下さいっ!!」
「ちょっ、ココ、何言ってんのよっ!!」
ココはアンジュを輝いた瞳で見詰めながら言葉を続け、それを無線で聞いたミランダが驚きのあげる中に屈託の無い笑顔をアンジュに向けた。
「あたしも見てみたいんです、魔法の国を」
ココの言葉と笑顔を目にしたアンジュは戸惑いの表情を浮かべ、そんな三人の遥か頭上の虚空では紅の雷光が爆ぜて更にその大きさを増していた。
スーパーX3
サリア達の上空で大きさを増して行く雷光、それは全速でサリア達の上空に向かうスーパーX3からも
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