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流転の防人
第2章「鉄壁」
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アルゼナル・司令室

サリア隊の接近に対して発進したスーパーX3、その存在は即座にアルゼナルの司令室でも探知され、レーダー画面に現れた新たな反応を確認したヒカルは表情を強張らせながらジルに報告を行った。
「……新たな彼我不明目標を確認しました、数は1、サリア隊と同高度に上昇した後にサリア隊目掛けて前進を開始しました」
「……新たな目標ですって!?」
ヒカルの報告を受けたエマは驚きの声をあげ、傍らのジルは静かにレーダー画面を確認しながら口を開いた。
「……サリア隊の接近を確認して発進したんだろう、数から考えて目的は恐らくこちらと同じく相手との接触だろう」
(若しくは……戦力に自信があるかのどちらか)
ジルはエマの言葉に応じながら胸中で呟き、レーダー画面に映るサリア機の輝点を一瞥した後に主任オペレーターのパメラに問い掛けた。
「先方から何らかのコンタクトは?」
「現在調査しています」
ジルの言葉を受けたパメラはそう言葉を返しながらセンサー類を操作していき、目標群から発信されているとおぼしき無線波を確認すると、急いで報告を行った。
「目標から発信されていると思われる無線波を確認しました、複数の周波数帯に発信中です」
「……よし、オリビエ、通信を確認してそれを流してくれ」
パメラの言葉を受けたジルは即座に新任オペレーターのオリビエに指示を送り、オリビエはそれに従い発信されている無線波をキャッチしてそれをスピーカーに流した。
「現在当方に接近中の機体及び運用司令部に告げる、当方に敵対の意思無し、繰り返す、当方に敵対の意思無し、当方より発進せし機体は指揮官機であり接触兼交渉機である、交渉の為、通信可能周波数を知らされたし、繰り返す、現在、接近中の機体及び運用司令部に告げる、当方に敵対の意思無し、繰り返す、当方に敵対の意思無し」
スピーカーからはアルゼナルに向けて発信されているとおぼしき切迫した響きの声が響き、それを受けたエマは眉を潜めさせながらジルに問い掛けた。
「……本当でしょうか?」
「……多分な、パメラ、先方に応答して使用周波数を知らせてやれ、ヒカル、サリア隊に先方とコンタクトが取れた事を伝えろ」
「「……ハイ」」
ジルはエマの言葉に応じた後にパメラとヒカルに指示を送り、二人は了解の言葉と共に行動を開始した。

サリア隊

彼我不明目標群とのコンタクト成功の報は直ちにサリア隊にも告げられ、それを受けたサリアは彼我不明機の接近してくる方向を見据えながらヴィヴィアン達に通信を行った。
「今、司令室から連絡があったわ、先方に敵対並びに交戦の意思は無いそうよ、現在こちらに接近中の機体はこちらとの接触兼交渉機で先方の指揮官機らしいわ、各機はフォーメーションを維持したまま
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