暁 〜小説投稿サイト〜
恋姫†袁紹♂伝
第26話
[4/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

「まず、お主達はこれからどうしたいのだ?」

「それは勿論、今まで通り歌と踊りで観客達を盛り上げるよ〜」

「旅を続けながら、か」

「当然でしょ!」

「それは無理だ」

「な!?」

「え……」

「……」

 天和と地和の二人は絶句する。聡い人和は理解しているらしく、黙って袁紹の言葉に耳を傾けた。

 此度の乱において彼女達は、正体が露見しないのが奇跡なほどに有名になりすぎた。
 娯楽の少ないこの大陸において、彼女達の芸は民衆の心を再び掴むだろう。そしてそうなれば、黄巾から離脱している者達の耳にも入ることになる。そこから正体が知れ渡ってしまうのは時間の問題だ。

「そして正体が諸侯に知られれば――……」

「ど、どうなるって言うのよ」

「……良くない事になる。それは確かだ」

「っ!?」

 立てられる仮説は沢山ある。どれも若く麗しい女子に聞かせるには酷な内容で、袁紹は思わず言葉を濁してしまったが、それが返って彼女等の不安を誘うものになってしまった。

「そこでだ、我から提案がある」

「…………聞かせて下さい」

「お主等の問題は後ろ盾が無い事である。この大陸において『張角』とはすでに討たれた存在。疑いをかけられたところで、それを弁解できる保護下にあれば問題はないのだ」

「それが、此処ってわけ?」

「然り、我が陣営なら噛み付く者も少なかろう。お主達の安全を保障できる」

「……私達の待遇、役目は何ですか?」

「無論、至れり尽くせりという訳にはいかぬ。御主達には常に監視の者達をつけ、ここ南皮において慰問活動をしてもらう」

「ちぃ達を扱き使うつもり!?」

「待って、ちぃ姉さん」

 袁紹に喰いかかろうとする姉を止めて人和は思案する。先程の袁紹の提案、一見自分達を利用することしか考えていないように聞こえるが、果たしてそうなのだろうか。
 常に監視がつくとの話だが、此方が害を成したりしなければ唯の護衛になるだろう。慰問活動と言っていたが、彼等のの指揮下になるだけで歌と踊りが出来るのは変わらない。そもそも、この提案は自分達からお願いしたいほどのものだ。

「お姉ちゃんは良いと思うな〜」

「天姉さん……正気?」

「あ、ひっど〜い!」

「ちなみに、私も賛成よ」

「人和まで……大陸中で活動出来なくなるのよ!?」

「む、我がいつお主達を南皮だけに留めると言ったのだ」

「「「え?」」」

 三姉妹が間の抜けた声を上げ、口を半開きにする。容姿は違えどやはり姉妹なのだと実感しながら、袁紹は苦笑交じりに口を開いた。

「少し早いが聞かせよう。我が理想そして、その中においてお主達が行き着く先を――」

 大陸を満
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ