第26話
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「まず、お主達はこれからどうしたいのだ?」
「それは勿論、今まで通り歌と踊りで観客達を盛り上げるよ〜」
「旅を続けながら、か」
「当然でしょ!」
「それは無理だ」
「な!?」
「え……」
「……」
天和と地和の二人は絶句する。聡い人和は理解しているらしく、黙って袁紹の言葉に耳を傾けた。
此度の乱において彼女達は、正体が露見しないのが奇跡なほどに有名になりすぎた。
娯楽の少ないこの大陸において、彼女達の芸は民衆の心を再び掴むだろう。そしてそうなれば、黄巾から離脱している者達の耳にも入ることになる。そこから正体が知れ渡ってしまうのは時間の問題だ。
「そして正体が諸侯に知られれば――……」
「ど、どうなるって言うのよ」
「……良くない事になる。それは確かだ」
「っ!?」
立てられる仮説は沢山ある。どれも若く麗しい女子に聞かせるには酷な内容で、袁紹は思わず言葉を濁してしまったが、それが返って彼女等の不安を誘うものになってしまった。
「そこでだ、我から提案がある」
「…………聞かせて下さい」
「お主等の問題は後ろ盾が無い事である。この大陸において『張角』とはすでに討たれた存在。疑いをかけられたところで、それを弁解できる保護下にあれば問題はないのだ」
「それが、此処ってわけ?」
「然り、我が陣営なら噛み付く者も少なかろう。お主達の安全を保障できる」
「……私達の待遇、役目は何ですか?」
「無論、至れり尽くせりという訳にはいかぬ。御主達には常に監視の者達をつけ、ここ南皮において慰問活動をしてもらう」
「ちぃ達を扱き使うつもり!?」
「待って、ちぃ姉さん」
袁紹に喰いかかろうとする姉を止めて人和は思案する。先程の袁紹の提案、一見自分達を利用することしか考えていないように聞こえるが、果たしてそうなのだろうか。
常に監視がつくとの話だが、此方が害を成したりしなければ唯の護衛になるだろう。慰問活動と言っていたが、彼等のの指揮下になるだけで歌と踊りが出来るのは変わらない。そもそも、この提案は自分達からお願いしたいほどのものだ。
「お姉ちゃんは良いと思うな〜」
「天姉さん……正気?」
「あ、ひっど〜い!」
「ちなみに、私も賛成よ」
「人和まで……大陸中で活動出来なくなるのよ!?」
「む、我がいつお主達を南皮だけに留めると言ったのだ」
「「「え?」」」
三姉妹が間の抜けた声を上げ、口を半開きにする。容姿は違えどやはり姉妹なのだと実感しながら、袁紹は苦笑交じりに口を開いた。
「少し早いが聞かせよう。我が理想そして、その中においてお主達が行き着く先を――」
大陸を満
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