第1章 光をもとめて
第10話 並木の間を歩きながら
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〜リーザス城下町 妃円屋敷〜
レベル屋、そしてその後必要そうな道具も揃えてこの場所へとやってきたユーリ。
あのコロシアムでの戦いで、剣は壊れてしまったが、まだ2本目の剣をもっている為、特に戦闘には問題ない。だから武器屋には寄らずに妃円屋敷へと来ていた。
「ランスの事だ。……もう、中には入っているだろうな。扉、開けっ放しだし」
ユーリは、開かれた扉の前に立ち、そう呟いた。何しろ、ここは悪霊住まう屋敷となってしまっているから、よくよくみれば、外観こそ高貴な屋敷を表しているが、今は違う。全体に漂う雰囲気、おどろおどろしさが出ているせいもあり、殆ど幽霊屋敷だ。
だから、ここが開かれる様な事は、中々無いだろう。好き好んで街中の危険地帯に足を踏み入れる者もいるとは思えないから。
「ん……、パティにいろいろとサービスをして貰えたから、かな。アイテムの質も中々のモノが揃ったし、問題ないだろう」
ユーリは、少し重くなったアイテム袋を軽く背負い直し、帯革にしっかりと固定。これで戦闘時に動いてもあまり邪魔にはならないのだ。
1人での確認になっているけれど、ランスとは中で合流をすれば良いだろう。
「……文句を言われるが、まぁ 良いだろ。いつも通りだ」
まだ、数日程度の付き合いなのに、もう阿吽である。
そして、屋敷に近づこうとしたその時だ。何か気配を感じたのは……。
「………」
勿論、ユーリはその気配に気がついた。だが、気にする様な、警戒する様な素振りは決して見せず、軽く腕を回して、調子を整えていた。
その妃円屋敷の屋根の上、ユーリの姿を見ている者がいた。装束に身を包んでいる女。あの女忍者である。
「……アイツが最初に来ていれば、あんな仕掛け、簡単に解けたでしょうに」
ユーリが来たのを確認すると、軽くため息を吐いていた。丁度ひと仕事を終えて、この幽霊が蔓延る屋敷から出てきた所だったのだ。如何に気配を殺しきっても、ここの根付いているモンスター達に気づかれずに、事を終えるのは難しい。正面からの戦闘は基本的に得意とは言えないから、更に面倒だったのだ。
「……まぁ、これで大丈夫かな。……多分」
女忍者は、ここに来た経緯を思い出していた。
〜王女の大居室〜
それは、ユーリが情報屋やレベル屋、アイテム屋へと色々必要なモノを整えていた時だ。ランスは一足先に、屋敷へと足を踏み入れており、地下へと通じる扉を見つけたのだが……、開く事が出来なかったのだ。だから、経過報告、と言う名目で お近づきになりたいと思っていた王女リアと侍女マリスの下へと来ていたのだ。
『かくかくしかじか、と言う訳でな。オレ様のスーパー冒険者アイが妖しい場所を見つけた訳だが
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