第1章 光をもとめて
第10話 並木の間を歩きながら
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い事。
「GOLDは持って行ったら走りにくい、全部置いていけ! 逃げるぞシィル着いてこい!」
「は、はいっ……! ランス様、どこへでも!」
こうして一つの大きな事件は幕を閉じたのであった。
〜この事件を皮切りに、歴史の歯車は回りだしていく〜
〜アイスの町 キースギルド〜
ユーリはキースギルドに顔を出していた。
報酬は貰ったが、一応他の依頼内容を確認する為だ。
「おいおい……。お前さんあんなでけぇ山片付けたのに、さっそく仕事に行く気か?」
「いや、ただ確認をするだけだ。特に急いでいくつもりはない」
「やれやれ、根っからの仕事人だな。女房が出来たら泣くぜ? 泣かすなよ」
「んな存在いねーっての! と言うか、勝手にオレの写真を使うんじゃない! 何でカウンターに置いてるんだよ!」
「お前がギルドの顔って言ってもいい存在なんだからよ。ラークとノアもそうだが、文字通り頭ひとつ飛びぬけてる。使わせてくれよ。ウチの宣伝にもなる」
「断る! 却下だ! 続けるなら燃やす! 断るならギルドごとだ!」
「わーーったわーーった」
苦笑いするキース。これは彼のユーリをからかう時の笑みだ。目の前の男は絶対に悪くない容姿なのだと思えるが、あちこちで色々とあってから、頑なに信じられないようなのだ。ランスとはまた違ったからかいかたが出来る存在と言えるだろう。
「おめーの結婚式ではたんまりエピソード聞かせてやるからな? 友人代表で頼むぜ」
「絶対却下だ」
「あら。私もですか?」
「う……ハイニさんまで。と言うより、オレにはそんな相手はいない! だーもう。今日は帰るからな!」
ユーリはそう言うと、ぷんぷんと怒りながら出て行った。
残ったのはハイニとキース。2人は、笑いあっていた。
「本当に可愛いですよね。ユーリさんって」
「まーな。からかい甲斐があるってもんだ。だが、あんま思い込んでるからよ? アイツの事真剣に好きって想ってるヤツは泣くだろうな。なかなか伝わらねーんだし」
「ふふふ……。それもまた青春でしょ?」
「ああ、まぁな」
今日は特に笑う話題が尽きない日であった。
〜アイスの町近辺 街道〜
ユーリは1人街道を歩いていた。特に消耗している事も無いから、次の仕事に行くつもりだったが、思わず受けずに飛び出てしまったのだ。……彼を一番からかっているのはキースなのかもしれない。
「ったく、キースのヤツ。……暫く仕事やらないでやろうか……?」
逆に嫌がらせを考えようとする程のようだった。だが、いつもの事と言えばいつもの事だ。気にしていてもきりが無いから直ぐに表情を元に戻していた。
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