第1章 光をもとめて
第10話 並木の間を歩きながら
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ようにし且つ決して口になんかださない。
「おう! そうだシィル。お前も少し、ほんの少〜〜しとは言え活躍したのだ。お前にも服を買ってやろう」
「本当ですか! 私、外出用のお洋服が欲しいです! おしゃれなお洋服が!」
「ふむ。ならば、スケスケのネグリジェ、スケベ下着、超ミニスカートをお前の為に買ってやろう! がはは!」
「ぁぅ……、ありがとうございますぅ……」
その一式を買ってもらったとしても、ランスとのH用にか使われないであろう服に悲しげに俯いてしまうシィル。外出用の洋服は当分はお預けのようだ。
この時、ランスに今朝届いた手紙の事を思い出し、とててて、と早走りに持ってきた。
「そういえば、ランス様にお手紙が届いてましたよ?」
「なに?成程、この超英雄のオレ様だ。ファンレターかラブレターが届いたのだな?」
「ええっと……、お城からのお手紙みたいですね。リーザスのマークが記しています」
「……城だと?」
ランスはシィルから受け取った封筒を開いた。封筒を開けたその時、……何故だかこの時若干悪寒が走っていた。
手紙の差出人はリーザス王女のリアからだった。
〜親愛なるランス様〜
――…我が王家には、初めて交渉をしたものと結婚をしなければならないと言う代々の慣
わしが有ります。それに従いあなたには責任を取って私の伴侶となって頂きます。
では、これより直ぐにあなたの所に嫁がせていただきます。
リーザス王女リア・パラパラ・リーザス
それを最後まで読みきったランス。その顔からは血の気が引いていた。
自分はまだまだ結婚などするつもりは毛頭無い。何より、世の中の女は全て自分のものであり、1人に縛られる事自体ゴメンなのだ。
「………」
「あの……ランス様?」
シィルが固まっている恐る恐る声を掛けると…、ランスは直ぐに立ち上がった。
「い、いかん。逃げるぞ! シィル!」
「は、はい!でもこのGOLDのお風呂はどうするのですか?」
「全部集めてる暇など無い。出来るだけ持ってだなっ……」
シィルに指示をし、GOLDも持って行こうとするが、時は既に遅しだ。家の扉からドンドンとけたましいノックの音が聞こえてきて、更に声も聞こえてきた。
「ダ―――リンっ! 開けて――!! リアが嫁いで来たの! 開けて――!!」
「リア様……、リア様に想い人が出来るなんて……良かったですね」
共にいるのはマリスだろう。
最初こそ、ランスの行為に憤怒の意思だったが、今は違う。リアの心の孤独を癒してくれた男性であり、リアの愛する人へと変わったからだ。
だが、そんな事、ランスにとっては迷惑極まりな
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