マブラヴ
1065話
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が、時間が経つにつれて若干引きつり気味になっていったのは、色々と興味深い出来事だったと言える。
翌日、昨日と同じようで微妙にメニューが違う朝食を済ませると、あやかが詠春を始めとした関西呪術協会との交渉を始める。
シャドウミラーを率いる俺がいるのに、実際の交渉をあやかに丸投げしたのには詠春にも驚かされたが。
だが普通国にしろ会社にしろ、何らかの組織の長が自分で最初から最後まで交渉するというのはない。
いや、そっち方面の能力が高いトップならあるのかもしれないが、実際には大まかな指示だけして専門の人材に任せるのが殆どだろう。
それこそ、何でもかんでも1人でやれるというのであれば、そもそも国や会社、組織である必要はない。
組織を率いる者がやるべきなのは、最終的な決断とかだろう。
もっとも、その決断が出来なくてグダグダになるような人物が多いというのも事実だが。
ともあれ、そういう理由であやかが交渉し、円は付き添い――正確には護衛――という名目でこの場にはいない。
そんな中で俺が何をしているのかと言えば、関西呪術協会の場所を少し借りて鬼眼の練習をしていたりする。
酒呑童子を吸収した事により得たこのスキルだが、実戦で何度か使っただけで、まだ完璧に使いこなせている訳ではない。
具体的にどのくらいの魔力を込めればいいのか、どれ程の効果時間があるのか。そんなのはまだまだ自分で検証していかなければならない。
もっとも、こうして試して見た限りだと目標としている岩に魔眼の効果がないというのは確定だ。
炎獣に対して魔眼の効果があったのを考えると、完全な無機物には効果がなくて、多少なりとも何らかの意思がある存在には効果がある。そんなところか?
「……どう思う?」
そう尋ねると、現れたその人物は苦笑を浮かべつつ口を開く。
「いきなりそないな事を言われても、ウチに何を期待してるんやろか?」
物陰から姿を現したのは、相変わらず胸元をはだけた天ヶ崎だった。
8月の京都という暑さの中での格好としては、微妙に合っているような気がしないでもない。
何かを企んでるようにも見える笑みを浮かべている辺りは、一昨日京都で再会した時と変わらないな。
いや、詠春との仲が怪しい事を考えれば、その辺は普段表に出していないのかもしれないが。
「まぁ、分からないなら分からないでいいさ。それより俺に何の用だ? まさかこんな場所まで偶然来たって訳じゃないんだろ?」
一応ここは関西呪術協会本部の中でも、それなりに端の方だ。
まぁ、離れた場所でも何らかの術を使えば覗き見は出来るだろうが……そもそも、鬼眼を使いこなす訓練をしている場所を見たとしても、それがどんな能力なのかは覗き見した奴にもちょっと分かり
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