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鐘を鳴らす者が二人いるのは間違っているだろうか
31. 見解の相違
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別の方に行っていたせいか少しびっくりしているようだ。
 一瞬迷ったが、確かに今のままではよくないと思ったティズは何かいう事がないか必死に頭を巡らせる。

「えっと……その胸のペンダントが気になって……」
(ズコー!!)

 袋の中のエアリーがズッコケるおどに「なんじゃそりゃ」な質問が飛び出した。

 しかし、どうかティズを責めないであげて欲しい。
 何せティズはノルエンデ村では割と年長の部類で、異性といったら近所のおばさんと年下の女の子ばかりだったのだ。同世代の異性と接した経験がない天然度100%の男の子には、これが精一杯なのである。
 だが、意外にもアニエスはこの話に思う所があったらしい。

「あ……これは、さるお方からいただいたお守りみたいなものです」

 彼女の身に着けたペンダントは、不思議な色合いの蒼い石を簡単中鳴くで固定した物だった。
 宝石には見えないが、余計な飾り気のない輝きがアニエスによく似合っていた。

「綺麗だね……その、似合ってるよ?」
「………」

 ティズの発現に是とも非とも言えない顔でペンダントの石に目を落とすアニエス。

「辛い時や悲しい時は、これに祈るんです。何だか、これに祈ると誰かが答えてくれる気がして……」
「へぇ……案外、そのペンダントをくれた人が見守ってるのかもしれないね」
「そう、ですね。そう考えると心強く思えてきました」

 ペンダントをくれた人物を思い出したのか、アニエスの頬が微かに綻んだ。
 幸いなことに、少しばかり彼女の心にかかった雲は晴れたようだ。

(………やるわね、ティズ。エアリー正直あの話の流れから成功させるとは思わなかったわ)
(あ、あはは……でも、アニエスが少しは元気になったみたいでよかったよ)

 すっかりひそひそ話が得意になってしまったエアリーとティズだった。
 
「じゃあ明日、改めて女神ヘスティアの所に行こうか。冒険者になるために」
「……それは賛同しかねます」

 話の流れが既に何度も繰り返された方向へと戻る。
 すなわち――クリスタル解放による世界の救済に、参加するか否かを。

「……女の子一人をダンジョンに行かせるなんて僕には出来ないよ。ダンジョンは死人が出るのも珍しくない過酷な場所なんだよ?戦力は一人でも多い方が……」
「ですから、それは、私の台詞だと何度も言いました。客観的に見て貴方にはその『過酷ば場所』に行かなければいけない絶対的な理由がありません。私から言わせれば無関係の人間をこの過酷な使命に巻き込むことの方が問題です」
「でも………」
「そもそも、冒険者になるのならば性別は関係ありません。現にアイズは女性でしたが、オラリオでも指折りの実力者だそうです。貴方の心配は的外れです」

 理路整
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