31. 見解の相違
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する凄い技術を使ってて、デザインも格好いいからもう何年も先まで予約がいっぱいだっていう!」
「ブーツに組み込んだせいでブランド的価値はないけど、機能は全然生きてるし……凄い掘り出し物見つけちゃったかも!」
――という訳で、リングアベルへのプレゼントは改造エルメスブーツに決定したのであった。
= =
男女二人きりで上手く行くカップルもいれば、上手く行かないカップルもいる。
ベルとエイナがバベルの露店でそれなりに楽しいひと時を送っているその頃、町のカフェでは重い雰囲気で昼食をとる二人の若者の姿があった。
「女神ヘスティアって、本当に優しい神様だったんだね………」
「そのよう、ですね………」
さっぱりとした鶏肉料理を食べていたティズがぼそっと漏らした言葉に、アニエスが小さな声で同意する。彼女の目の前には野菜サラダがあるが、それほど食は進んでいない。
二人は昨日ヘスティアと会合し、今日は朝から他の候補ファミリアに謁見に向かったのだが、その結果はお世辞にも良いものとは言えなかった。
ある神は「虫のいい話には何度も騙されてきた」と疑いの目を消さず、ある神は「クリスタル正教の人間なんて、これ以上評判を落としたくない」と掌返し。ひどい時には罵声を浴びせられて門前払いなどというファミリアもあったほどだ。僅かにでも協力してくれそうなファミリアさえ一部に留まり、実質的に二人のファミリア選択肢は一つに絞られたと言っても過言ではなかった。
一つでも協力的なファミリアがあっただけで幸運とも言えるのだろう。
しかし、今までそんなにも人に冷たく当たられる経験がなかった二人は少なからず動揺していた。
二人は、怖くなってきたのだ。
オラリオに住む人々が抱く小さな闇と悪意が。
特にアニエスは相手の前では平静を装っていたが、今の彼女は目に見えて狼狽している。
しかも、帰りにロキ・ファミリアの本拠地『黄昏の館』に寄ってみると、アニエスの知るメンバーは冒険中で全員留守だった。以来、彼女は完全に沈み込んでしまっている。
きっと心細いのだろう、とティズは思う。
ティズ自身、アニエスとエアリーがいなければ孤独に苛まれただろう。
今も平気かと言われれば言葉を濁してしまう。
道具袋の中に隠れているエアリーがため息をついた。
(無理もないわ。巫女は清貧を貴び、外界との繋がりがないもの。その分人の闇の部分には敏感にもなるわよ。というわけで……ティズ!どうにかしてアニエスを慰めなさい!)
「え!?き、急にそんな事言われたって……」
「……あ、あの……どうかしましたか?」
エアリーの声はアニエスの所まで届いていなかったせいか、アニエスがこっちを見る。
彼女も彼女で意識が
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