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流転の防人
第1章「発進」
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田は復唱しながらエンジンの出力を上昇させ、その後にリニアカタパルトを作動させた。
藤田の操作を受けたリニアカタパルトはエンジン出力を上昇させたスーパーX3を強引に加速させながら虚空に射ち出し、スーパーX3はエンジンを轟かせながら星の瞬く夜空(そら)へと駆け上がった。
「……アンノウン確認、機数5、4時の方向より、高度1200で接近中です」
藤田がアンノウンと同じ高度まで上昇させたスーパーX3を水平飛行に戻している間にレーダーで接近するアンノウンを確認した永倉は各種センサー類を確認しつつ長曽我部に報告を送り、それを受けた長曽我部は操作を終えた藤田に向けて命令を下した。
「藤田、進路4時、目標アンノウン」
「了解(ラジャー)」
長曽我部の命令を受けた藤田はそう応じるとスーパーX3の機首を接近するアンノウンの方へと向けて前進を開始し、スーパーX3は接近して来るアンノウン目指して前進を開始した。
アルゼナルを発進したサリア率いるパラメイル隊と極光から発進した長曽我部率いるスーパーX3、共に相手との接触を目指して発進した両者は邂逅の為に向けて急速にその距離を縮めながら前進を続けた。

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