第二十八話
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できないってことが」
その事実を否定することはできない。最初からわかっていることだから。
つまり犠牲者が出るのは避けられないってことだ。
「まだ諦めた訳じゃないけど、俺だってそうなったらそうなったで仕方ないって思っている。そして、戦いも避けられないってことだってね。本当は厭だけど、避けて通ることはできないようだね。……もし、そうなった時のために教えて欲しいんだけど、俺は新たに寄生された人間と戦った場合、勝率はどれくらいになるんだろう」
少女は少し考えた。答えは出たようだけどそれを伝えるべきかどうか悩んでいるように思えた。
「シュウ、はっきり言うわよ。前にも話したけど、寄生根は宿主を変えるごとに強くなるって言ったのを覚えているかしら」
そう言って俺の反応を見た。
俺は頷く。
「如月流星が最初の宿主。そして次は二人目ということになる。如月流星との戦いではまだお前が戦いになれていなかったせいもあったし、本当はお前があれほどの戦闘力を発揮するとは思っていなかったんだけど、まあ互角以上の戦いだったわ。どちらかといえばお前の方が強かった。でも宿主が二人目ということは、前の宿主に憑いていた時に得た能力を保持したまま新たな宿主を確保することになるわけだから、戦いはより厳しいものとなる。お前が戦いになれたとしても、今度は良くて五分五分。今までの経験から言うと、お前の方が不利になるかもしれないわ」
「そうか……。やっぱり今のままだと不利なんだなあ。でも俺たちに負けるという選択肢はありえないんだろ? だったら教えてよ、姫、俺はどう戦えばいいんだ」
「【俺は】じゃないでしょ、【俺たちは】よ。お前の敗北は考えたくもないんだけど私の死に直結するんだから。あんなのになぶり殺しになんかされたくないから私も必死よ。当然一緒に戦うわ。……私が加勢すれば、なんとか互角にまでは持って行けると思うんだけど、うーん、どうかなあ」
王女が加わっても互角なのか。少しショックを受けた。ただ、王女が面白そうに話すのでそんなにヤバイ状況のようには思えないんだけど。
「今のままでは勝敗は不明ってことなんだよな。俺は、いや俺たちはどうすればいいんだ? 戦いまでになんとかレベルアップを図らないとまずいんだろ? 何か手立ては知らないのかな。こうなんていうか、パーッとパワーアップするような特訓とかさ」
「レベルアップっていったってゲームみたいに簡単に人間の戦闘力は上がるもんじゃないでしょ。本来なら日々のたゆまぬ鍛錬と、とにかく実戦をくぐり抜けて力を上げるなしかありえないわ」
「そんなリアルなこと言われても困るよ。敵はいつ現れるかわかんないんだよ。そんなチンタラやってたら間に合わない。姫だってそんなこと分かり切ってるでしょ? 」
「そうは言っても一朝一夕に能
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