巻ノ九 筧十蔵その二
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た。
「武家の方と見受けましたが」
「左様、真田幸村と申す」
「上田の真田家のご次男の方ですか」
「それがしのことを知っているのか」
「お名前は、そしてそのご評判も」
「やはり殿は有名ですな」74
清海は幸村と男のやり取りを聞いて述べた。
「この安土までとは」
「いえ、兄上」
ここでだ、清海に伊佐が言った。
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