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流転の防人
序章「遭難」
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しかめさせながら言葉を発し、それを受けた長曽我部が頷いていると突然眩い閃光が周囲を包み込んだ。
長曽我部と羽島は両目を閉じて閃光をやりすごそうとしたが閃光は更にその激しさを増して行き、やがて光の渦となって極光や船団を覆い尽くした。
光の渦は一際激しく輝いた後に消失し、先程まで海原を進んでいた筈の6隻の船団は影も形も無く消え失せてしまっていた。


アルゼナル・資料室

歪に歪んだ世界に拒絶された上にその歪んだ世界を異界から襲い掛かるドラゴンから守る為の捨石として狩り集められた乙女達の終の住み処アルゼナル、絶海の孤島に設けられた広大な基地は夜の帳に覆われていた。
夜の帳の中で眠りにつくアルゼナル、その広大な基地施設の一角にはそれまでの対ドラゴン戦のデーターを収集した資料室が存在し、そこは深夜に差し掛かろうと言う時間であるにも関わらず照明が灯っていた。
蛍光灯の照明に照らされる室内では黒に近い蒼髪のツイン・テールと琥珀色の瞳の美貌が魅力的な美少女、パラメイル第一中隊副隊長、サリアが膨大な量の資料に目を通していた。
資料に目を通していたサリアは資料を捲っていた手を止めると大きく身体を伸ばし、長時間に及んだ資料とのにらめっこの余韻で軽く硬直した身体を解した後に時計で時刻を確認した。
「……もう少し、出来るわね」
時刻を確認したサリアはそう呟くと再び資料に向き直り、琥珀色の瞳に決意の光を宿しながら呟きをもらした。
「……そうよ、まだまだ頑張らなきゃいけないの、あの(ひと)の役に立つ為に」
サリアはそう呟くと脳裏にポニーテールの黒髪とアメジストの瞳の鋭さを宿した美貌が印象的な美女、アルゼナルを率いる女傑ジルの姿を思い浮かべ、頬を仄かな桜色に染めながら言葉を重ねた。
「……役に立ちたい、大好きなアレクトラの役に」
サリアは噛み締める様な口調で呟いた後に再び資料に目を通そうとしたが、それを制する様に甲高いサイレンの音が鳴り響き、それを受けたサリアは弾かれた様に立ち上がった。
「……緊急警報」
サリアは厳しい表情で呟くと資料室を飛び出し、ライダースーツに着替える為にはロッカールームに向けて駆け出した。

司令室

サリアがロッカールームに向けて駆け出した頃、アルゼナルの司令室ではジルが厳しい表情でオペレーターのヒカルの報告を受けていた。
「……先程出現した反応は依然として出現海域周辺に止まっています、レーダー反応から考えて反応は船舶で、6つの反応内3つがかなりの大型船と思われる反応を示しています」
「船舶ですって!?そんな物が何故!?」
ヒカルの報告を聞き、ジルの傍らに立っていたショートヘアと眼鏡が印象的な美女、エマ・ブロンソン監察官が驚きの声をあげ、それを受けたジルは頷いた後に口を
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