序章「遭難」
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小笠原諸島周辺海域・自走式ドッグ極光
穏やかに凪いだ海原に眩い陽射しが降り注ぎ、爽やかな潮風が軽やかに舞う中、日本のガラパゴスとも称される小笠原諸島目指して進む船団の姿があった。
海上自衛隊横須賀地方隊の第11護衛隊に所属するあさぎり型護衛艦やまぎり(DD―152)とうみぎり(DD―153)そしてはつゆき型護衛艦のやまゆき(DD―129)の3隻の護衛艦と彼女達(第11護衛隊)に護衛されて進む3隻の防衛省所属大型自走式ドッグ、極光、電光、雷光によって構成された船団が小笠原諸島に存在する無人島、幻龍島へ向けて航行を続け、3隻の自走式ドッグの船上ではビオランテとの激闘を終えた後に未だに日本海で眠りにつくゴジラの目覚めに備えて防衛省と陸上自衛隊が編成した特殊戦術機動集団ゴジラ・コマンドに所属する隊員達が幻龍島にて実施する予定の実弾訓練に向けて準備を進めていた。
海原を進む極光、そのブリッジ脇のスペースでは180センチを超える長身と精悍で整った面立ちが特徴的な幹部自衛官、ゴジラ・コマンド隊長の長曽我部基久二等陸佐の姿があり、長曽我部は潮風を浴びながら極光の横を進むやまぎりの姿を眺めていた。
長曽我部がのんびんりとした様子でやまぎりの姿を確認していると、ブリッジからゴジラ・コマンド副隊長の羽島猛一等陸尉が姿を現し、長曽我部の傍らに移動すると輝く太陽を眩しげに見上げながら口を開いた。
「後二時間程で幻龍島に到着するそうです」
「そうか、各種機材の様子は大丈夫か?」
羽島の言葉を受けた長曽我部は羽島の方に視線を向けながら問い掛け、それを受けた羽島は小さく頷いた後に言葉を続けた。
「問題ありません、ただし機龍とガルーダについてはリモートコントロールでの訓練になりますがね」
「致し方あるまい、アイツ等は相当なじゃじゃ馬だ、アイツ等をまともに扱える奴は一種の化け物だ」
羽島の言葉を受けた長曽我部は小さく肩を竦めながら答えつつ腕時計に視線を向け、首を捻りながら言葉を続けた。
「羽島、今何時だ、止まっているだ1130(ひとひとさんまる)で」
「珍しいですね、長曽我部二佐の時計が止まってるなんて」
長曽我部の言葉を受けた羽島はそう言いながら自分の腕時計に視線を向け、次の瞬間には顔をしかめながら言葉を重ねた。
「……自分も止まっています1130で」
「何だと?携帯を確認しろ!!」
羽島の言葉を受けた長曽我部はそう言いながら携帯入れから携帯電話を取り出して画面を確認し、画面に表示された時刻が1130なのを確認して羽島に視線を向けた。
「……自分の携帯も1130で止まっています」
長曽我部の視線を受けた羽島は顔を
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