けねもこの救出。
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「なっ!? もう近づかれた!!?」
何とか立ち上がろうとした暗基であったが、すでにすぐ上に妹紅のマガイモノが迫ってきていた。妹紅はおもむろに暗基の首をつかむ。
「ぐっ……!!?」
「アンタの実力は、そんなもんなのかい?」
「ごほぁ!!?」
そして思いっきり腹パンチを見舞った。
「いくら能力が私たちを倒すのに特化した能力だったとしても、それを扱うに伴った実力がなかったら、宝の持ち腐れだよなぁ!!」
「ぐほっ!? ぐあっ!?」
休むことなく殴り続ける。暗基の意識がだんだんと遠くなっていく。
(やばい……、アニメでボコられたりアクション映画でボコられたりっていうのは、こんなにも酷いもんだったのか……)
「ほらほら! 何とか言ったらどうなんだ!!」
「……」
「もう意識をなくしたか。つまらないな」
「!」
妹紅のマガイモノは暗基を思いっきりそこから投げ飛ばした。暗基は投げ飛ばされた衝撃で意識を取り戻した。空が、赤くなってきていた。もう夜が近い。
「ぐぅっ……、マジで無理がある……」
暗基は体を動かそうとする。すると、指だけは何とか動いてくれた。
(指は動くが、つま先すらも動かないな……。もう終わっちまうってのかちくしょう……)
思わず考え付く最悪の未来が頭をよぎるが、ふと思いついたことがあった。
(そういえば、右ポケットのなかに何も書いていないスペルカードが一枚入っていたはずだ……。今思いついたスペルを反映させて、それをあいつにぶち当てれば……!!)
暗基は、たった今思いついたスペルを新しいスペルカードに吹き込んで、それを使って妹紅のマガイモノをぶっ飛ばすつもりだった。ただ一つ問題だったのが、指が動くのはいいが、それがポケットに手が届かせるのが、自信がなかった。
「さて、そろそろ終わりにするか」
すると、妹紅のマガイモノはスペルカードを取り出しながら近づいてきた。
「そういえば、慧音たちからの情報によれば、アンタの能力は、優理亜様のスペルカードに対しては意味をなさないらしい」
「……、だから、どうした……?」
「ニブいなぁ、アンタの頭は……。能力のことを少し考えてみなよ」
「……、おい、まさか……!?」
能力のことを少し考えろ。その言葉で、暗基はすべてを悟り、それに対して妹紅のマガイモノは笑って答えた。
「わかったみたいだな。その通りだよ!」
妹紅のマガイモノがスペルを唱えようとする。しかし、その瞬間。
「おせぇよ」
「?」
突然、ほぼ死にぞこないになっている暗基がそんなことを言い出した。それを聞いてしばらく黙っていたが、妹紅は声を上げて笑い出した。
「ははははははははは!!! 死にぞこないが何を言
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