三話、私の聖剣が奪われた瞬間
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らがぞろぞろと集まる。
そして唐突に誰かが言った。
「貴様っ! 何者だ!」
誰が言ったのかはわからなかったが、誰もがそう思うに決まっている。そんな誰もが、に私も入っているんだけど。
だってこの少年はこの教会に所属などしておらず、どう見ても見知らぬ者だ。
ただ可能性としては、他の教会から訪れた同じプロテスタント所属のエクソシストかもしれないけど。
私たちは慎重しなければならない。
ここ最近は、悪魔による工作、偽装をまんまと受け、一つの教会が無くなった……なんて報告を受けたばかり。
私の目の前にいる少年がその悪魔だとは限らないが、否定なんてできない。
私は、自分の腰にかかった剣帯を触るだけで、何もできない。聖剣も自分の部屋の中だし。しかも全エクソシストが携帯しなければならない装備も運悪く部屋に忘れたし……。
ああ、本当にどうしよう! ゼノヴィアはただぼーっとあの少年と目と目の会話しているだけだし。
その少年を見たところ、私と歳は変わらなさそうだけど警戒は怠ってはいけない。
だから少しでも目を離さないわ!
そんな私の葛藤などいざ知らず、黒髪の少年はいろんな意味で、緊迫したこの空気をぶち壊す。
「アーメンでーす、皆さん。えー、俺、今日からプロテスタントに転属する者で、名前はデクタ・テインと言います。
一応、大天使ミカエル様から承った御命令ですので、絶対遵守であるのと同時に、あとから届くと思います――――――『天閃の聖剣』の持ち主兼、プロテスタント教会所属である俺を証明する資料みたいなのがあるので、そんな阿呆みたいに騒ぎ立てないでくださーい」
少年は気怠そうにそう言った。
私の聖剣を担ぎながら、そう言ったのだった。そして………」
「いや回想なげーよ!」
「ちょっと! 途中から話しかけないでよね、デルタ君!」
イリナさんは、ほっぺをぷくう、と膨らます。
いや、少し可愛いけど、可愛くねーよ。
てか、本当に長げーよ。
いくらイリナさんに勝負を挑まれる度に、もう2年前ぐらいの回想みたいなのを語るけど、全然慣れないし、キツイ。いたいっす。
あと最後の何だよ。『アーメンでーす』ってさ。どこのチャラ男だよ。普通にアメーンって言ったわ。
なんて、心の中でツッコんでいたら、もうすでに時すでに遅し。
目の前の彼女は、目を瞑りながらまたもや回想に浸っていた。
まあ、これは俺に対しては全くの意味はないけど、イリナさんには意味があるらしい。
紫藤イリナ曰く、それはあの時の屈辱を忘れないためである、らしい。
……うん、確かに聖剣を奪ったのは俺だ。
でもその代わり、俺は紫藤イリナの命は守ると決めた。だって、原作で持っていたはずの聖剣を持ってなかったなどとい
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