マブラヴ
1064話
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かべるあやか。
それでも美味しいものは美味しいうちにというのに反対するつもりはないのか、餡蜜を攻略するべく取り掛かる。
「ふーん、結構上手くやってるのね。こうやって見る限りだと、釘宮といいんちょも」
今のやり取りを見ていた神楽坂が感心したように呟くが……
「アスナ、アスナ。ウチらもそのうちあの中に入るんやで? なら今から慣れておいた方がいいんちゃう?」
近衛のその一言で、思わず動きを止める。
そして、ギギギッと音を鳴らしそうな動きで隣に座っている近衛の方へと視線を向け、口を開く。
「ねぇ、このか? そのウチらって、もしかして私も入ってたりする? 何か今のニュアンスとかを考えると、その中に私も入っているように聞こえるんだけど」
「え? 当然やろ。アスナも大学を卒業したらシャドウミラーに入るんやし」
「いやいやいやいや、ちょっと待ってよ。このかがシャドウミラーに入るっていうのは分かるわよ? その為にこうして京都に来たんだし。それに刹那さんも。けど、私が来たのはあくまでもこのかの付き添いというか、護衛というか、そんな感じなのに、何で私まで将来シャドウミラーに入る事になってるのよ!?」
「えー……だってアスナは今もホワイトスターでバイトしてるやん」
「それは超包子の時給がよくて、五月さんと顔見知りだからよ。別にシャドウミラーに入るつもりなんかないわ」
「じゃあ、どこか入りたい会社とか、やりたい事とかあるん?」
そう尋ねてきた近衛に、神楽坂は数秒考えてそっと視線を逸らす。
「いや、別にそういうのはないけど……」
「じゃあ、せっちゃんやウチと同じくシャドウミラーに入るってのも選択肢に入れてもええんやないの?」
「うっ、そ、それはそうだけど……」
そんな2人のやり取りを眺めて考える。
近衛は治療という特技があり、桜咲は実働班という道がある。……まぁ、桜咲が近衛と違う班になるのを承知するのは難しそうだが。
だが、神楽坂がもしシャドウミラーに入るというのなら、どこの所属になるんだろうな。
普通に考えれば実働班だが、あの神楽坂に人を殺すという覚悟が出来るとは思えない。
あやか、千鶴、円、美砂にしてもそれは同様かもしれないが、それでもあの4人は修羅場を潜り抜けてきている以上、いざという時にはその決断が出来ると思う。
だが、神楽坂は……
「あー、もう! 分かったわよ! けど、シャドウミラーに入るって決めた訳じゃないからね! あくまでも候補の1つってだけだから!」
そんな言葉を聞きつつも、神楽坂がシャドウミラーに入るというのは意外と本人にとって向いていないのかもしれない。
そんな風に思うのだった。
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