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転生とらぶる
マブラヴ
1064話
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しそうなら買うわよ?」
「ちょっ、アスナさん。こんな場所で暴れるのは……アクセルさんも、アスナさんに喧嘩を売るような真似は……」

 慌てたように告げてくる桜咲の言葉に、神楽坂は何とか怒りを堪えるようにして再び餡蜜へと戻っていく。
 ……別に喧嘩を売ってる気はなかったんだけど。

「生八つ橋とか千枚漬けとかは、是非買っておきたいところだな」
「でもアクセル、アクセルのハーレムって日本人以外の人も多いんでしょ? なら生八つ橋のあの独特の風味って好まれないんじゃないの?」

 数秒前に行われた会話を忘れたかのように言ってくる神楽坂に、俺が何かを言う前にあやかが口を開く。

「アスナさん、こういう場でハーレムがどうこうとか言うのは止めて貰えます? それと、確かに生八つ橋にはニッキが使われていますけど、ニッキとシナモンは似たようなものですわよ? 厳密には色々と違いがありますが、普通の人には対して変わらないと思いますし」
「え? ニッキとシナモンって同じなの!?」
「……へぇ」

 驚く神楽坂と共に、俺もまたあやかのその言葉に小さく驚く。
 生八つ橋の風味とも言えるニッキは、色々と個性の強いものがある。それがシナモンと同じと言われると……いや、そう意外でもないのか?

「あら? アクセル君も知らなかったんですの? 簡単に言うとシナモンというのは肉桂の皮で、ニッキは肉桂の根となります。もっとも、正確にはシナモンというのはスリランカのセイランにある肉桂の物だけをそういうらしいのですが」
「……皮と根か」

 スリランカ産云々というのは、いわゆるブランド戦略の一種か何かなのだろう。
 実際には肉桂の皮を使えばシナモンは作れる……と思う。

「シナモンにもニッキにも、血行促進、解熱作用、中性脂肪やコレステロールを押さえる、血圧や血糖値を下げる、抜け毛の予防と改善、胃腸を丈夫にするといった風に数々の健康美容効果があるとされています」
「また、随分と有用な素材なんだな」
「ええ。ですが、肉桂が育つには30年近くも掛かるという欠点もあるので色々と管理が難しい品でも……」

 そこまで告げたあやかが、ピタリと言葉を止めて俺の方へと視線を向けてくる。
 まぁ、何を言いたいのかは分かる。今の話を聞いて、俺も思いついたのだから。
 シャドウミラーに存在する魔法球は、外の1時間が内部で48時間が経過する。つまり、内部時間での30年というのは現実世界の半年強でそれくらいの時間が過ぎる。
 この手の、現実世界で時間が掛かるのに必要なものは他にも多くある。
 それらを魔法区画で育ててシャドウミラーの輸出商品にするというのは結構いい考えかもしれないな。
 普通であれば人件費とかで物凄いことになるだろうが、幸いシャドウミラーには量産型W
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